
近所で種籾(たねもみ)をもらったのが5月。それから始まった「大曽根米プロジェクト」。ついに完結の時が来た。
農業の大切さを知ってもらうイベント「1億人の稲づくり一鉢運動」という企画で配られたチラシに、種籾が21粒付いていたのがきっかけ。
その種籾をペットボトルの鉢に植え、水を張り稲を育てようということ。
大曽根のマンションのベランダでも稲がスクスク育って、美味しいお米を楽しめる。そんな秋を夢見てのスタートだった。
8月、出穂。そして予定は未定へ

そして、8月初めに出穂(しゅっすい)。チラシによれば出穂してから40日後に稲刈りを迎えるはずだった。
ところが、うちの稲たちの穂は重量感なく育っている気配がない。

「あと少し待てば大きくなるのでは……」と思ってたら、40日を大幅に越えて2ヶ月半が過ぎていた。
もう、これ以上待っても無駄だろうと判断して、待ちに待った収穫の日を迎えることになった。
収穫直前チェック:「軽い!」の一言

穂を触ってみる。軽い。
籾殻(もみがら)の中に何かが入っている手応えはない。
普通、稲って実れば穂が下に垂れてくるよね。でも、うちの稲の穂はピンと立ったまま。垂れ下がる気配すらない。

稲を刈ってみた。細い稲は、ハサミでサクッと簡単に刈ることができた。
稲刈りって、鎌を力強く引っ張ると、ザクっという手応えがあったはず。あぁぁ、なのに、うちの稲は、僕の髪の毛のような存在感のなさ。
集めて持っても…“重さゼロ”の感覚

稲刈りを終え、穂の部分だけを切り取って集めてみた。
全部を手に持ってみる。ほとんど重さを感じない。
道端に生えてる雑草だって、もう少し実をつけるんじゃないかと思うくらいの手応えのなさ。

重さを測ってみると、衝撃の数字が出てきた。
なんと、わずか5グラム。

籾殻の重さも含めてだよ。これ、脱穀しても何も出てこないんじゃないか。
半年近く稲の世話をしてきて、空気のような5グラムとは……。なんだか、食べる気も起きない。いや、食べる分すらない。
最初の種籾は一粒一粒がずっしりと重たくて、21粒で5グラム以上あったんじゃないかな。まさかのマイナス収支で収穫を迎えるとは想像もつかなかったよ。
次こそ“実りの秋”を
失敗の原因は色々と考えられる。暑すぎる夏、栄養に乏しい土、世話をする人間がいい加減だったり……。
稲にとっては、過酷な環境の中で精一杯頑張った結果が5グラムだったんだ。なんか稲に申し訳ないし、これで終わりにするのは負けた気もする。

せっかくなら、ちょっとでもいいから実りの秋を満喫したいじゃん。
ちゃんと調べてみよう。稲ってどうすれば育つのかってことを。毎年、確実にお米を作り続ける農家さんの偉大さがよ〜〜く分かったよ。いい勉強になった。
よし!やったる!来年は大都会・大曽根でもお米が作れるってことを証明してやろう。
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