なぜか信号の「カッコウ」にワクワクする。その理由を考えてみた

2026-05-02

意外な音に、感情のスイッチを押す力があった。

僕の場合は、信号の「カッコウ、カッコウ」という音。

目の不自由な方が横断歩道を渡るために必要としている、あの音である。

この音を聞くと、不思議とワクワクした気持ちになる。

ところが、信号でセットになっている「ピヨ、ピヨ」には何とも感じない。

どうして「カッコウ」だけが、僕の感情に影響を与えるんだろう。

ずっと疑問だった。

「ピヨ」ではなく「カッコウ」だけ

こないだ、その謎が解けた。

家で昼寝をしていた時のことだ。

「カッコウ、カッコウ」

窓の外から、あの音が聞こえてきた。

僕のマンションは大きな交差点の近くにある。だから、信号の「カッコウ」がよく聞こえてくる。

「ピヨ」は別の方角を向いているらしく、部屋までは聞こえてこない。

窓を開けて昼寝していた季節

その時、ふと気づいた。

気候のいいこの時期、僕は窓を開けて昼寝をしている。

暑い時期や寒い時期は窓を閉め切っている。音楽を聴いていたり、テレビを見ていたりする時も、外の音にはあまり注意を払わない。

つまり「カッコウ」は、春や秋の気持ちいい時期にだけ、昼寝の時間へそっと入り込んでくる音だった。

なるほど。だからなのか。

音が連れてくる、春と秋の記憶

「カッコウ」を聞くと、寒くも暑くもない最高の日差しを思い出す。

窓から入ってくる風を思い出す。何もしなくていい、穏やかな昼寝の時間を思い出す。

あの音そのものが好きというより、あの音が連れてくる時間が好きだったのかもしれない。

春と秋、しかも昼寝という至福の時間限定。

そりゃあ、聞いたらワクワクするわけである。

もしかして音楽の原型かもしれない

そこで、ふと思った。

もしかして、こういう音って、音楽の原型になっているんじゃないか。

遠い遠い昔。

気持ちのいい季節に鳴く鳥の声を、誰かがマネをした。それを聞いた周りの人たちのテンションが、なぜか上がった。

そこで、ご先祖様が気づく。

「あれ?逆にテンションを上げたい時には、この音を出せばいいんじゃない?」

当時、言葉というものがあったのかは分からないけど。

みんなで盛り上がる前に、誰かが「カッコウ、カッコウ」と歌ったのかもしれない。

音とか匂いって、感情や記憶と深く結びついているらしい。

僕の「カッコウ」も、きっとそうだ。

信号機に刷り込まれた昼寝フェス

つまり、僕は信号機に季節を刷り込まれていた。

「カッコウ、カッコウ」

その音を聞くたびに、脳内では春秋の昼寝フェスが勝手に開催される。

信号はただ青を知らせているだけかもしれない。だけど僕には、こう聞こえる。

「気持ちいい天気だぞ。ちょっと、のんびりしようか」

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