名古屋ジャズストリート in 大曽根 2025:台風どこ行った?食べて飲んで聴き惚れた一日

2025年10月12日。この日の天気予報はずっと雨だった。

しかし、大曽根民の祈りが通じたのか、曇っているだけ。

2つの台風が直撃しそうだったなんて信じられないね。暑すぎず寒すぎず直射日光もなく、絶好のイベント日和となった。

「名古屋ジャズストリート in 大曽根」である。

開幕、商店街がフェス会場に

12時の開幕に合わせて商店街に着くと、すでに人でいっぱい。

屋台が道を埋め尽くす。商店街を分断する赤萩線が歩行者天国となって自由に歩けるようになっていた。

ステージからは流れるような音楽が奏でられている。と、その前に美味しいものを楽しもうではないか。

まずは乾杯:大曽根限定の一杯

まずは、日本酒の屋台へ。地元酒蔵の金虎が商店街のために作っている「大曽根ばやし」をいただく。

甘さの向こうにすっきりとしたキレがある極上のお酒。

こんな美味しいお酒が大曽根限定なんて、なんか申し訳ないね(笑)

サバ×ラタトゥイユとオレンジワイン

一杯飲むと、リミッターが外れるもの。

次にいただいたのは、サバとラタトゥイユのサンドイッチとオレンジのワイン。

脂の乗ったサバの濃厚な味と野菜をじっくり煮込んで旨みが凝縮されたラタトゥイユが最高のコンビ。

食べ歩きしながらワインを楽しめるなんて、ジャズストリートの日にしかできない贅沢なんだよね。

5つのステージをハシゴする楽しさ

お腹も満たされて、音楽を楽しむ番になった。

2025年は大曽根駅地下の大階段から大曽根商店街の奥まで5つのステージが設置されている。

日本酒の屋台のすぐそばにあったステージでは、トランペット、サックス、キーボード、ドラムのカルテットによる演奏が始まっていた。

ソニー・ロリンズみたいな歌うように奏でる音に憧れて、僕は若かりしころサックスを吹いていたんだ。

ワイン片手にうっとりとサックスの音色に聴き惚れたね。気づけばあっという間に3曲が終わって、このカルテットの出番は一旦終了。

5つのステージは少しずつ時間をずらしてライブが始まるようになっている。

だから、ここが終わって別のステージに行けば、すぐに別のバンドによる演奏を楽しめるようになってるんだ。

そういえば…一脚椅子を忘れた(笑)

この時、ふと思い出した。

こないだ作った塩ビパイプの一脚椅子を家に忘れていた(笑)

ま、いいか。立ったままでも十分楽しめる。疲れたら帰ればいいだけだしね。

商店街を歩き回って、お酒をたっぷり飲みながら演奏を楽しむ。なんて贅沢な一日なんだ。

「徳川ミュージックスクール」の緊張感

ふと、とあるステージで立ち止まった。

その一帯だけ、ただならぬ緊張感が漂っていたんだ。

「徳川ミュージックスクール」の生徒さんたちのステージ。緊張感は、周りに陣取る保護者のみなさまから発せられてるようだ。

演目を見てみた。「バードランド」がその中にあった。「フュージョン」といえば真っ先に挙げられるウェザー・リポートの代表曲。バードランドみたいな通好みの曲が商店街で聴けるなんて最高じゃね?

MCをしていたスクールの先生らしき方がこんな話をしていた。

「音楽に才能というのはなくて、たくさん努力した子が上手くなるんですよ」と。よし、その努力を聴いてみようではないか。

ちいさなギタリストの大仕事

一人、すごい子がいた。

まだ小学校低学年なのかな。ギターに隠れてしまうくらい小さな男の子。でも、体の小ささなんて関係なかった。

曲が始まれば、幼い顔立ちからキリッとした目つきに変わってね。プロギタリストが弾くようなハイポジを難なくこなし、流れるようなサウンドを余裕の表情で奏でていた。

目をつむって聴いていたら、先生がお手本でギターを弾いているんじゃないかというくらい大人っぽい色気のある演奏。

えっ、この歳でこれだけ弾けるの? もしかしたら、才能ってあるのかもしれない。

その後も、たくさん飲んで食べてジャズを楽しんだ。

ファイナル目前、雨雲の気配

午後5時前。そろそろファイナルステージが始まる時間。メインステージのあるドロシーの泉に向かった。

時間になってもステージが始まらない。いや、準備すら始まっていない。一体、どうなってるんだ?

どうやら雨雲が近づいてきていたのが原因らしい。ファイナルステージは前倒ししてもう終わっていたとか。

でも、お客さんは残っている。このままでは終われない雰囲気。

そんなピンチに自ら名乗り出て、最後の最後を締めてくれた歌手の方がいた。

ミュージシャンはすでに帰ってしまっていたので、アカペラで2曲。

手拍子に乗って、色気のある透き通った声を商店街に響かせてくれたんだ。

微妙な空気になってた会場を、一瞬で華やかなアンコール劇場にしてくれたその方が本当にかっこよかったね。

最高の一日、そして日常へ

食べ飲み歩きとジャズに満たされる一日。今年も最高のジャズストリートだった。

午後7時。商店街を分断する赤萩線の通行が再開され、日常が戻ってきた。

また来年、このお祭りが開催されますように。台風が来ないことを今から祈っておきましょう。

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2025-10-13|
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