Dare to Sketch! 10日間ドロシーちゃんを描いて描いて描きまくるチャレンジ

前回までのあらすじ

猛暑が続く間は絵の練習に費やすと決めたKOKIX。大曽根商店街に行き、モデルとなるドロシーちゃんの写真をたくさん撮ってきた。かわいいドロシーちゃんを描けるようになるために――

ドロシーちゃんを描いて絵を楽しむ

暑すぎて、ほんと外に出られない。ブログのネタもなくなって、日々の落書きをネタにするありさま(笑)

そして、風邪が追い打ちになって、家にとじこもって絵を描くぐらいしかできない日々。

もうちょっと涼しくなって、昼間に外で立っていられるくらいになったら、外でスケッチしたいと思ってる。もちろん、そのころには体調も良くなっているはず。

外で絵を描いてると、覗き込まれたり、話しかけられたりするじゃん。その時に、クソ下手だとアレだから、暑いうちに家で練習しておくわけ。

んで、練習のモデルにと選んだのが大曽根商店街のアイドル、ドロシーちゃん。形がシンプルで描きやすいし、外で描いてみたいモチーフのナンバーワンがドロシーちゃんなんだよね。

そんなこんなで「10日間、ドロシーちゃんを描きまくってやろう」というチャレンジを始めてみたんだ。

描くたびに「前よりいいじゃん」っていう上達が感じられるんだよね。その軌跡を紹介していこうと思う。

初日、荒々しくも雑

初日に描いたドロシーちゃん。

荒々しいというか、雑というか、自分らしいね(笑)。こういうの大好き。

この日の気づきは、ドロシーちゃんが縦長になりがちだということ。スケッチブックを机に置くと、視線に対して直角にならず斜めになるから、全体的に間延びしてしまうことが分かった。

2日目、補助線の大切さに気づく

2日目は、まず灰色のクーピーで下書きを描いた上から描くことにした。

そしたら、クーピーがインクを弾く弾く。全然使い物にならんかった。

この日の最大の気づきは、「顔には補助線を入れないと破綻するよ」ってこと。

ドロシーちゃんの口がタコみたいになったのは、顔に中央線を入れず適当に口を描いたから。こうして、一つずつ成長していけばいい。

3日目、顔のパーツに細心の注意を

3日目、鉛筆で下書きをして描いてみた。

前の日に気づいた顔の補助線を入れるのも忘れない。

目の高さ、鼻と口も中央にはまって、うまくいったと思った。

だけど、次の瞬間「こいつ、ドロシーちゃんじゃない」って気づいた。顔のパーツが変なんだよね。両目が近すぎるし、鼻がデカすぎる。鼻の下の影がちょび髭に見えて、おっさんに見えるし。

補助線を書けばいいってもんじゃない。目、鼻、口はしっかり観察が必要だって気づいた。

4日目、短い直線を徐々に修正すればいい

4日目は、線の描き方を変えてみた。

曲線を描くのはとても難しい。だから、短い直線を何本も引いて、少しずつ削っていくように形を整えていく感じ。

これがうまくいった。

下書きは、顔の補助線を鉛筆で書いて後で消しただけ。ペンで適当に引いた直線を少しずつ修正していく。最初はカクカクしていた形が、徐々にドロシーちゃんになっていくのは圧巻だったね。

「これがスケッチの正解なのか」と、ちょっと震えた(笑)

5日目、Vコーン最強かも

5日目、仕事中にコピー紙の裏にササッと描いてみた。

ドロシーちゃんの写真を見ずに、これまでの記憶を総動員。これまで4度描いてきたから、手が覚えているようにスラスラと描けた。隣で見てた同僚が驚いていたのは言うまでもない(笑)

ちなみに、この日からペンをVコーンに変えてみた。

これがうまくいった。本当に描きやすい。描こうとする手の動きを邪魔しないというか、描くこと以外の何も考えなくていいって感じ。絵に全集中できるんだ。

「メインのペンにすべきはVコーンだ」と分かったのが、この日のこの絵なんだよね。

6日目、ドロシーちゃんらしくなってきた

6日目、Vコーンという心強い相棒を再び手にして描いてみた。

なぜか不思議とペンが進む。インクの黒さが真っ黒で発色がよく、力を入れなくても同じ太さの線が滑るように出てくるんだ。

絵を描きたいというより、「Vコーンで線を引きたい」みたいな感覚になってきた。気分良く描くと、やっぱりうまくいく。

どこからどう見ても大曽根商店街のアイドル、あのドロシーちゃんがついについについに僕のスケッチブックから飛び出してきた。ちょっと感動(涙)

7日目、別アングルのドロシーちゃんを

7日目は、違うドロシーちゃんを描きたくなってきた。

前の日に手応えを感じて、「同じドロシーちゃんを描き続けるよりも、違う角度から描いた方が上達するのでは?」と考えた。

んで、撮りためておいたドロシーちゃん秘蔵写真から、物思いにふける横顔をセレクト。女王と対面したときのポーズで、ティアラみたいな帽子をかぶっている。

この日もVコーン効果が炸裂。シャッシャッシャッ!と気持ちよくラインを引いていく。描き終わって見ると、やっぱりドロシーちゃんだ。

2日連続、パッと見でわかるドロシーちゃんが描けたのは、成長の証だと感じている。

8日目、なんか頭でかいぞ

8日目、なんか下手になってきた。

だいぶ形を正確に捉えられるようになってきたと思っていた。調子こいて、オリャオリャオリャって描いたら、やっぱりヘタクソのままだったんだよね(笑)

頭がやたらとデカくて、前に倒れていきそうなほど。なんも考えずに描くてデカくなっていく癖は変わらんようで。

常にバランスをチェックしながら、描いては修正、描いては修正を繰り返すことが必要だなって気づいた。

9日目、いつの間にか腕が毛むくじゃらになってた(笑)

9日目、バランスを常にチェックしながら書いてみた。

鉛筆で下書きを書いては消し、書いては消しを繰り返して少しずつ形を作っていく感じ。

本当は、下書きをすっ飛ばして、いきなりペンで描きたいんだよね。でも、まだそのレベルには達していないようなのでガマンガマン。

形は上手く捉えられたんだ。でもね、ハッチングをやりすぎた。ドロシーちゃんの腕が毛むくじゃらになる一大事。顔の白さと同じくらい、腕も白くしてあげたかった。

影なのか、毛なのか、形なのか、はっきりと分かるように描き分けるにはどうすれば?これは伸びしろだね。

10日目、失敗したっていいじゃないか

ついに目標としていた10日目に達した。せっかくの節目なので、自分がやりたいスタイルで描いてみた。

そのスタイルとは、下書きなし、ペンで気の向くまま、サクサク描いていくというもの。

9日目のドロシーちゃんを見返す。丁寧なんだけど、人間味というか僕らしさに欠けるんだよね。置いていってる。「これは僕の求める絵じゃないね」って痛感させられたんだ。

構図が狂ってたら、その場で上からまた描けばいい。間違ってる線なんて気にしない。一番いいラインを求めて何度も線を引けばいいんだ。

やっぱり、こういう書き方が僕に合ってるみたい。率直に気持ちよかった。途中で肘が2つあることに気づいて、無理矢理修正したりとかしてね(笑)

フェリックス・シャインバーガー師匠はこう言っている「Dare te Sketch」と。「失敗を怖がらす、あえて失敗を楽しんで描け」というニュアンスかな。

僕はこの言葉を胸に毎日、絵を楽しんでる。フェリックス・シャインバーガー師匠のように失敗を楽しんで描いた10日目が一番のお気に入りなんだよね。

ドロシーちゃんとの10日間を終えて

10日間も描き続ければ、いっぱしの「ドロシーちゃん専属画家」になれるのかと思っていた。いやいや、そんなに甘くはありません(笑)

ただ言えるのは、失敗を怖れずにザクザクと楽しんで描いた日の絵は見ていて清々しい。「上手く描けなかったらどうしよう」みたいな弱気になってた日は全然ダメ。

大曽根商店街にある「さくらギャラリー」の方に絵を描く時の本質を教えてもらったことがある。「気持ちよく描くことですよ」と。

誰も見ない絵を描いて一人で楽しむだけ。だから、気持ちよく楽しんで、そして失敗なんてそもそも存在しないって気持ちを忘れたくないね。

2025-09-14|タグ:
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