ちょっと遠くのスーパーで出会った“黒麹の宇宙酒”——あさ開 BLACK STYLE

猛暑日、遠いスーパーという遊び

行ってみるもんだね。いつもと違うスーパーって。

名古屋の予想最高気温は39度。

せっかくのお休みだけど、どこにも行く気がしない。そんなときは、ちょっと遠くのスーパーに繰り出して、普段と違うお買い物をしてみるのがいいんだよね。

そんなわけで、ドライブがてら大曽根から30分ほど車を飛ばして熱田のイオンへ。

僕が狙っているのは、まだ見たことのない日本酒。どこに行っても必ず日本酒の棚をチェックしてるのに、まだ見ぬ一本があるのかって?——あるんだよね。

っていうか、僕が見たことのある日本酒なんて、せいぜいこの世界に存在する1%くらいじゃないかと思えるほど、日本酒の世界は奥が深い。

黒一色の謎瓶に吸い寄せられて

今日もやっぱり見つけた。

圧倒的に見たことのない一本。黒の瓶に真っ黒のラベル——潔すぎるほど黒にこだわったその姿にひかれて、思わずカゴへ。

家に帰り、瓶をじっくりとながめる。黒いラベルには引き込まれるような同心円の模様。その下には「BLACK STYLE」と書かれている。

冷蔵が必須な生酒であることを示す「限定生酒」ラベルも貼られていた。

「あさ開(あさびらき)」——岩手・盛岡にある南部杜氏の伝統蔵が出している限定生酒だった。

黒にこだわっている理由は、仕込みに泡盛用の黒麹を使っているから。黒麹はクエン酸を生成し、レモンのような爽やかな酸を酒に与えることで知られている。期待値は一気に跳ね上がった。

いざ開栓、イチゴの惑星へ

栓を開けると、ふわりと甘美な香りが鼻をくすぐる。グラスに注げば、部屋が花畑になったかのような華やかな香りに包まれた。

注がれたお酒は真鍮色に近い鈍い黄金。少し粘性を感じる濃厚さ。

ひと口——黒い衝撃が舌を走り、脳天を直撃した。その甘さは、まるで完熟イチゴのジュース。やわらかな甘みに、酸味がほんのり追いかけてくる。

気づけば僕の心はイチゴ狩りの農園に。真っ赤に熟れたイチゴを口いっぱいにほおばる——でも実際に手にしているのはグラス。そこには、未知の日本酒が注がれていた。

初めて出会う「甘さ全開」の日本酒。もはや日本酒の枠を超え、「宇宙酒」なんて呼ぶのがふさわしい気がした。

30秒メモ:黒麹と生酒

  • 黒麹:沖縄の泡盛で使われる麹。クエン酸を多く出し、甘酸っぱく濃厚な酒質になる。日本酒では珍しく、個性的な酸味と厚みを表現できる。
  • 生酒:火入れをしていないため、フレッシュでデリケート。要冷蔵で、開栓後はなるべく早めに。

遠いスーパーは宝の地図

いゃ〜美味しかった。まだ見ぬ幻のお酒が、30分車を走らせれば出会えるなんて、こんな幸せある?

出歩くのをためらわせた猛暑に、今日ばかりは乾杯!イチゴのような甘美な味わいと共に、夜は静かにふけていった。

遠いスーパーは、宝の地図。今日は冷蔵ケースが冒険への入り口だった。

2025-08-22|タグ:
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