
蒸しっとした空気に、ギターの音が鳴り響いた。
毎月第3日曜は、大曽根マルシェの日。
朝から小雨。降ったりやんだり、梅雨らしい空模様だった。
でも、遠くから聴こえてきたギターの音に背中を押されて、僕は傘をたたんで歩き出した。
マルシェには、10軒ほどの屋台。中央にはライブステージ。
ギターの弾き語りが、Jポップや懐かしのカントリーミュージックを穏やかに奏でている。

ちいさな空間に、人の笑顔と音楽が広がっていた。
蒸し暑くても、不思議と気持ちは軽やかだった。
えっ!ジャスミンの香りがするコーヒー?
僕が向かったのは、いつもの「HUMOR COFFEE(ユーモアコーヒー)」。
マルシェで会うたびに、必ず立ち寄るお気に入りの屋台だ。
今日のおすすめは、ゲイシャブレンド。

なんと、ジャスミンの香りがするという。
もちろん、即決。ここは何を飲んでも、ぜったいにハズレがない。
「おすすめされたら従う」が、僕のマルシェ流儀(笑)
受け取ったコーヒーは、浅い色合いで、なんとも爽やかな顔をしていた。

ごくりとひと口。
舌に広がる、華やかさ。
雑味のないキレ、そして花のようなふわっとした余韻。
蒸し暑さを忘れて、まるでビニールハウスの中でランの花をながめているみたい。
いや…妄想が過ぎるかもね(笑)
謎のマスコットの正体
ふと気になって、ずっと気になってたことを聞いてみた。
あの、ユーモアコーヒーの謎のキャラ。
あれって…ご夫婦の似顔絵?
違った。
実は、ご実家で飼っているトイプードルがモデルだって。
えっ、わんちゃん!?
これは完全に予想外。でも、妙にしっくりきた。
コーヒーと同じで、じんわりと味がある。
あのキャラ、もっと好きになった気がする。
和菓子の街から来た、甘くて涼しい逸品
さらに、もうひとつ。
僕が次に手に取ったのは、和菓子店「彩(いろどり)」のあんみつ。

中津川からの出店らしい。
「中津川は栗きんとんばっかり有名で」と、店の方が笑っていたけど、実は中津川、和菓子の聖地らしい。
街に40軒以上も和菓子屋があるんだとか。
今度、行ってみよう。和菓子マラソンとか…妄想、また発動中(笑)

さて、あんみつ。これがまた、うまい。
軽やかな蜜の甘さと、ねっとりしたあんこの濃さが絡みあう。
寒天のプニュッとした歯ざわり、求肥のグニュッとした柔らかさ。

それぞれが個性的で、ひとくちごとに味と感触のバランスが変わっていく。
これは、完全に“湿気を吹っ飛ばすスイーツ”だ。
中津川、行くしかないな。
ギターと、余韻と、ニヤニヤと

ライブの音を聴きながら、コーヒーとあんみつを味わう午後。
この日も、マルシェはゆるやかに、確かに、心に残った。
帰りがけ、ユーモアコーヒーのボトル入りをお土産に買った。

「アイスにかけると最高ですよ」と教えてくれたので、よっしゃ!今日はアイスを買って帰ろう!
って、僕は一人ニヤニヤしながら、商店街を後にしたのだった。










