
名古屋シティマラソン前日。
まだ走っていないのに、すでに疲れ果てた男がいる(笑)
スタート会場となっているバンテリンドームでは、マラソンエキスポが開かれていた。
マラソンエキスポとは、その名のとおりマラソンをテーマにしたあれやこれやが詰まったお祭りである。
ランニングオタクを自認しているヤツなら、もうアヒャヒャヒャって言って興奮が止まらなくなるんだよね。僕ですか?もちろん、アヒャヒャヒャでしたよ(笑)

会場には、明日ウィメンズかシティを走るランナーたちがぎっしり。
僕もランナーの端くれだしね、こんなに仲間がいると思うと、それだけで心強い。
さて、47あるブースを回ってみよう。
まずは物欲の号砲が鳴る

まず向かったのは、メインスポンサーであるニューバランスのブース。
毎年、ウィメンズに向けて限定グッズを出しているから、男でも使えそうなものは積極的にゲットするようにしている。
今年は夏向けの白いキャップが欲しかった。

探してみたら、あった!メンズでも十分にいけるデザイン。デカ頭の僕でもすっぽり入るサイズ。
しかも、イベントで安田美沙子が被っているのと同じ。

実は、僕はガチランナーである安田美沙子の大ファン。
イベントを見ている女性たちから「美沙子かわいい〜」って声が上がると、自分のことのようにうれしくなってしまうほど(笑)
あとは、カウベルも気になった。
日本ではまだ馴染みが薄いかな。海外のトレラン映像を見ていると、よくカランカラン鳴らして応援してるんだよね。発破をかけるというか、会場の熱を音にする感じ。

今年は名古屋でアジア大会やMGCもあることだし、マラソン観戦用にひとつゲットしておこう。
買うものが決まって、ニューバランスのレジへ。
これが大行列なんだ。レジが25台並んでいても、お会計を済ませるのに15分かかった。時間がない人はご注意を。
ここから前日恒例の合法ドーピング

さて、ここでマラソンエキスポの楽しみ方をお伝えしておこう。
それは、「合法ドーピング」を楽しむこと。
食べて、試して、買って、明日の自分を速くした気になる。これが前日の正しい過ごし方である。たぶん。
それでは、合法ドーピングを僕と一緒に楽しんでみよう!
まずは胃袋から仕上げていく
まずはキッチンカーが集まるグルメエリアへ。
レースの前日は、たっぷり食べておくに限るからね。

最初に選んだのは、炙り牛たたき丼の温玉ガーリック乗せ。
なめらかで柔らかい牛たたきに、カリッとしたガーリック。食欲のスイッチをガチャンと入れられた感じだ。
ニンニクパワーで明日のタイム10分短縮!
ひとつ食べると、ダムが決壊したみたいに食欲は止まらなくなるもの。

お次は、岐阜県民の誇り、明宝ハム。
5ミリ程度の厚切りハムが2枚。見た目以上にずっしりと重い。分厚いハムをガブリとかじると、ぎっしり詰まった肉の味が襲いかかってきた。これはうまい。うますぎる。
凝縮豚パワーで10分短縮!
うっ、やばい……。そろそろお腹いっぱいだ。

最後に食べたのは、イチゴの羽二重(はぶたえ)包み。
なめらかな羽二重餅に、甘酸っぱく爽やかなイチゴ。さらに中からは、濃厚でドスンと重たいアンコが飛び出してくる。
イチゴパワーで10分短縮!
あぁ、これでお腹いっぱい。グルメブースのメニューを食べ尽くすつもりだったのに、まさかの3品でギブアップである。
気持ちは小学生のまま、あれもこれも食べたくてはしゃいでいる。なのに、体は53歳のおっさんそのもの。
前日はカーボローディングどころか、満腹による失速で終わった(笑)
しかし、お腹がいっぱいになっても合法ドーピングは終わらない。
箱根ランナーっぽい腰ベルトに手を出す
ファイテンのブースに立ち寄ると、見たことのあるベルトがあった。
箱根駅伝のランナーが腰に巻いているやつ。ブースの人に話を聞いてみた。

「体幹を安定させるから、ジャンプが楽になるんですよ」
試着させてもらって何度かジャンプしてみる。そして、ジャンプしている途中でベルトを外す。そうすると違いがはっきり分かるらしい。
僕の場合は……ちょっと分からなかった。
他の人が試着してジャンプすると「おぉぉぉ!」って感動していたのに。元から体幹が安定していると違いは分かりづらいのだとか。
ちょっと待てよ。
今は疲れていないから体幹は安定している。でも、レース後半でヘロヘロになってきたら、体幹はフニャフニャになるのでは。箱根のランナーも巻いているではないか。僕にも効くはず。
というわけで、もちろんお買い上げである(笑)
なんだか分からんけど速くなるでしょう。ってことで10分短縮!
次は、いかにも効きそうなやつ
数あるブースの中で、最も人垣が厚かったのがスポーツデポ。
完走をサポートするサプリやテーピング、雨の日用のポンチョなど、当日に役立つものがひと通り揃っている。
ここの人気アイテムは「完走セット」。タイムや目標別に、アミノ酸サプリやジェルを詰め合わせている。

ブースの方に、ハーフ出場用のおすすめを聞いてみた。
「ハーフなら、カフェイン入りがおすすめです」
なるほど。ハーフぐらいなら、目を覚まして一気に走り切れということらしい。
カフェイン入りのジェルが入った完走セットを買ってみることにした。1本をレース前に、もう1本を8キロ地点で飲むといいそうだ。
では、カフェインが入っていないジェルはどうすれば?
「入ってないのは別のレースで飲んでください」
よし、次の岐阜清流にとっておこう。
いきなり現実的な話をすると、サプリで速くなるわけではない。「失速を抑える」が近いかな。よし5分短縮!
祭りの隅っこで、本物に出会う

最後に立ち寄ったのは、にぎやかな会場の隅にぽつんとある静かな一角。
ララムリのブースである。
ララムリとは、超長距離ランニングに秀でたメキシコ高地の先住民族。彼らの服が展示されていた。
その中に見つけたのがワラーチ。

これが本家本元、世界のランニングシーンを変えた一品である。
ゴム板に穴を開けて、皮のヒモが巻いてあるだけの簡素なサンダル。よく見ると足の形にくぼみができるほど使い込まれていた。
元は黒かったであろう皮のヒモは、擦り切れて表面が剥がれ、白くなっていた。
一体、このワラーチで何千キロ走ったのだろう?
誰も立ち寄らない静かなブースに、僕が憧れてやまないララムリの魂があった。

さっきまでキャップだ、カウベルだ、ジェルだと浮かれていたのに、ここだけは空気が違った。
ランナーは静かに走り続ければいい。そんなことを、あの使い込まれたワラーチに教えられた気がした。
ララムリから力を分け与えてもらった気がする。これはもう20分短縮でいいだろう。
これで合法ドーピングはバッチリ。合計65分短縮!
あれ?もしかして世界最速狙える?
んなこたない(笑)










