オタマトーンは目で弾くのか、指で歌うのか——ポアテープで滑らかに

2026-05-01

道具の意味を、完全に取り違えていた。

滑り止めだと思っていたものが、実は滑らせるためのものだった。

こないだ、オタマトーン演奏の指の滑り止めとして、医療用のポアテープが使えるという記事を書いた。

ここで訂正しておきたい。

あれは、僕の演奏スタイルが爪を立てるようなものだったから、そう感じていただけだった。

上手い人の指を見てみた

オタマトーンの演奏法って、そもそも「これが絶対の基本です」みたいなものがない。人によって、指の使い方も、音の揺らし方も、かなりバラバラ。

では、どういう演奏法がいちばん美しい歌声を奏でられるのか。

気になって調べてみた。

すると、「とりにくの里」というYouTubeチャンネルにたどり着いた。

多重録音を駆使して、オタマトーンとは思えないほど美しいハーモニーを聞かせてくれる動画がある。

オタマニストなら、一度は観たことがあるんじゃないかな。まだ観たことがない人は、ぜひご覧になってほしい。僕がオタマのことを「天使の歌声」という意味が分かるかと思うよ。

その人の演奏法を見ていると、基本的に中指の腹でパネルを押さえる一本指操法だった。

爪で点を押すというより、指の腹で面をなでる感じ。

爪で見るか、指で感じるか

僕もこれまで、爪でパネルを押さえていた。

爪で押すと、どうしても指の動きを凝視することになる。

尻尾に書いておいた音程を目で見て、その場所をピンポイントで押すような感覚だ。

一方、中指の腹で押すと、目で見るよりも、指の動きを頼りにするようになる。

ここが大きな違いだった。

正直、今の僕のレベルだと、爪を使って音程を目で確かめた方が、いい音にはなる。場所を見て押せるから、外しにくい。

ただ、ふと思った。

バイオリニストとか、チェリストとかって、いちいち指を見て演奏してないじゃん。たぶん、指の感覚が大切なんだろう。

そして、音程を見ずに演奏できたら、カッコいいじゃん(笑)

上手い人を真似るのが上達の早道である。

さっそく僕も試してみた。

すると、なんとなくしっくりくる。弾きやすい。音の場所を探しやすい。

なるほど。上手い人の動きは、やっぱり見ておくべきだ。

指の腹がつまずく問題

ところが、ここで問題が起きた。

指の腹をパネルに押し当てて滑らせると、途中でガッと止まる。

まるで、段差に足を引っかけてコケそうになったのを、「何もありませんよ」みたいな顔でごまかすような感じである。

こっちは気持ちよく歌わせたいのに、指だけが変なところでつまずく。

おもわぬところで引っかかって、歌声が台無しになる。

ポアテープの本当の役割

そこで、こないだ滑り止めだと勘違いしていたポアテープを指に貼ってみた。

あら、びっくり。

スーッと滑っていく。引っかからない。指の腹が、パネルの上をなめらかに移動していく。

ここでようやく分かった。

明和電機の土佐社長が言っていたのは、このことだったのか。

ポアテープは、滑り止めではなかった。滑らせるためのものだった。

まったく、そのとおりでした。

ちなみに、親指にも貼っておくと、広い音域もスムーズに対応できる。

オタマの歌声に近づくために

上手い人の動きを見ると、道具の意味まで変わって見える。

目で音程を追う演奏から、指の感覚で歌わせる演奏へ。

オタマトーン、奥が深い。

そして僕はまたひとつ、オタマの階段を登った気がする。

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