
大曽根に住む理由は、駅の便利さだけじゃない。
仕事帰りにふらっと酒屋へ寄って、地元の酒蔵が本気で造った日本酒を買って帰る。家でグラスに注ぎ、ゆっくり飲む。
そんな夜がある街って、ステキでしょ?
大曽根に住む理由。そのひとつに、お酒があったっていい。
大曽根の宝、金虎という酒蔵

矢田川の手前に建つ酒蔵「金虎(きんとら)」。
江戸時代の終わりにあたる1845年に創業。180年以上の歴史を持つ、まさしく大曽根の宝と言っていい酒蔵である。
その金虎が「進化していく願いと決意」を込めて造り上げているお酒がある。
「虎変(こへん)」
季節の変わり目に、虎の毛が美しく生え変わることを意味しているらしい。
名前を聞いただけで、もう本気のお酒だって分かるよね。
金虎の本気の酒が、暮らしのすぐ近くで飲める。これも大曽根の魅力だったりする。
佐野屋で虎変を手に取る

大曽根駅から商店街に入ってすぐにある酒屋「佐野屋」。
金虎と深いつながりがあるというこの酒屋には、虎変が置いてある。
美味しいお酒が飲みたくなったら、僕はいつもここに足を伸ばしている。
酒屋に入り、棚を眺める。そして、虎変を手に取る。
この時間がもう楽しい。
虎変には季節関係なく手に入る定番として、大吟醸、純米吟醸、特別純米の3つがある。

全部美味しい。
そのうえで、あえて僕のお気に入りを挙げるなら、特別純米かな。
派手すぎない。気取っていない。それでいて、しっかりうまい。
虎変の特別純米。
何が違うのか、飲んで確かめてみよう。
和紙のラベルと、勇ましい虎

茶色の瓶に、和紙のような風合いのラベル。
筆字の「虎変」の両脇には、勇ましい虎の絵が描かれている。
一目見るだけで、瓶の中身が想像できる。
金虎の本気が詰まっているとね。

栓を開ける。
純米らしい、控えめでありながら爽やかな酸味を感じさせる香り。ヨーグルトのようでもあり、高原の花畑のようでもある。
グラスの中の液体は、わずかに黄色がかっていて、金属のような光沢を見せる。
あぁ、早く飲みたい(笑)
口の中に広がる、秋の稲穂

グラスを口へと運ぶ。
まるでイチゴのような、柔らかな甘酸っぱさ。その後に控えるのは、極上の旨みの世界。
チーズのような酸味と、米のどっしりとした存在感。それでいて、純米酒独特の当たりの強さは、心地よい程度に抑えられている。
うまい。
派手に香るお酒というより、じわっと広がる。飲んだあとに、米の旨みが静かに残る。

目をつむると僕は、秋空の下に立っていた。
目の前に広がるのは、地平線まで続く黄金色の稲穂。
雲ひとつない青空。
透き通るような風を感じながら、空に舞うトンビを眺めていた。
なにスカしたこと書いてんだか(笑)
だけど、そんなイメージがするお酒であることは間違いないんだよね。
焼いたカブと虎変の幸せ

純米酒は、単体で飲んでもうまい。そして、食べ物と合わせるとさらに楽しくなる。
今回は、カブを焼いて塩胡椒しただけの簡単おつまみと合わせてみた。
芯まで柔らかなカブの甘み。そこに、秋の恵みを感じさせる虎変の特別純米。
これが本当に合う。
カブの土っぽい甘さと、虎変の米の旨み。どちらも大地から来ている感じがする。
大地を感じさせる食材との相性が、本当にいいんだよ。
派手な料理じゃなくていい。凝ったおつまみじゃなくていい。
焼いたカブに塩胡椒。
そこに虎変。
それだけで、家の夜がちゃんと豊かになる。
大曽根を住処にしたご褒美

ありがとうございます。これは完全に、大曽根を住処にした人間へのご褒美です。
地元の酒蔵がある。
駅前の酒屋で、その酒を買える。
家に帰って、好きなつまみと一緒に飲める。
大曽根で暮らすって、こういうことなんだと思う。
ひとつだけ、難点を挙げたい。
あまりに美味しすぎるから、四合瓶なんてあっという間にカラになっちゃうよってこと(笑)
大曽根に引っ越す理由は、人それぞれでいい。
駅が便利だからでもいい。矢田川で走りたくてもいい。商店街があるからでもいい。
そして、金虎の虎変を家で飲めるからでもいい。
いかがですか?
大曽根に引っ越してきたくなってきたでしょ?
虎変片手に、お待ちしておりますね。






