【前回までのあらすじ】
3日前、今シーズンのランニングが開幕。
試してみたのはウォーキングで編み出した「足を後ろに引く」フォーム。背中の筋肉をグイッと使えば、心拍はあっという間に170。
「限界突破って、意外とすぐそこにあるじゃん」と気づいてしまった。
灰色の空に背中を押される

雲が分厚く垂れ込めた今日の空。明日からは最高気温39度の灼熱地獄だという。
「今日走らなきゃ、いつ走るんだよ」
そう自分に言い聞かせて、シューズを履いた。
今シーズンの目標はただひとつ。楽して限界突破。
これまでのランニングは「ゆっくり健康第一」だった。なぜか?——必死に頑張っても速く走れなかったから(笑)。それを言い訳にして、ゆっくり走ることを正義にしてきただけなんだよね。
でも今年は違う。
背中を使えば、心拍はすぐ170に届く。限界ラインに指一本かけられる。これは本物のトレーニングだ。
背中ランニングの快感

いつもの30分コースに飛び出す。
作戦はシンプル。最初はゆっくり。走りやすい直線に入ったら背中を弓なりにして、一気に心拍を叩き上げる。
背中を使うと——体が勝手に前に進む。
ゾンビみたいにうつむいてのろのろと走っていた昔の僕とは別人だ。
ガラスに映った姿は、まるでトップランナー。ストライドはビューンと伸び、足は車輪のように回転している。
このスピードが気持ちよすぎて、ついつい心拍を上げすぎてしまう。
「おっと、上げ過ぎ注意」
「楽して限界突破」なんて言っても、僕の限界なんてすぐそこにある。うかつに飛び越えたら落とし穴にはまるに決まってる。
一発ムチで十分だ

僕のやり方はこうだ。
心拍数を一瞬だけ限界近くに叩き込む。
ずっと限界手前の170に張り付けてたら、心も体も壊れてしまう。
だから最後の直線でだけ——背中をギュッと弓なりにしてスピードを解放する。
そして「限界突破」の景色

ラスト直線。
背中をピンと反らせ、足をぶん回す。キロ4分。
50を過ぎたオッサンの僕が、このスピードを出せるとは思わなかった。
心拍は177を超えていた。去年なら追い込んだ時にしか出せなかった「天文学的数字」。
その瞬間、ふと思った。
「限界突破の目標が見えた!キロ4分を心拍130で走れたら…それが夢の領域じゃないか?」
そんな妄想まで浮かんでしまう。悪い癖だ(笑)。
ガーミンが教えてくれた証拠

走り終えてガーミンを見る。普段は0.0と情け容赦しない通告をしてくる無酸素運動が、今日は2.1。この数字を出すのって、結構命がけだったんだよね。
やったのは一瞬の全力だけ。しかも背中を使うから小さい筋肉を酷使しない。ケガのリスクも低い。
これは間違いなく、限界突破への道だ。
汗だくの体がそう確信させてくれた。今年も楽しいランニングができそうな予感がするんだよね。





