50年ぶりに再会!寝苦しい夜にぴったり。背筋が涼しくなる絵本『ねないこだれだ』

2025-08-23

真夏の夜にひんやり読む一冊

真夏の夜、寝苦しい真夜中に読んでほしい絵本がある。あなたの背筋をひんやりと冷やす恐怖の一冊だ。

僕にとっては50年ぶりの再会。本屋でふと手に取ったら、あまりのなつかしさに思わずレジへと直行した思い出の絵本。

真っ黒のバックに白いお化けがあらわれる可愛らしい表紙。いや、可愛いと思えるのは大人になったから。当時の僕には怖かった。裏表紙には、夜ふかしした子が迎える悲しい結末が……

1分で読めるのに怖い

せなけいこ先生の『ねないこだれだ』。

1969年に発行され、いまだにロングセラーを続ける絵本界の最高傑作である。

わずか24ページ。見開きの左1ページは1行か2行の短い文章。右ページには、ちぎり絵で表現されたやさしくシンプルな絵。実際に読み終わる時間を測ってみたところ、1分も経たなかった。

あなたも読んだことはあるだろうけど、あえてネタバレはしないよ。もしかしたら、きれいさっぱり忘れていて、もう一度読んだら新鮮な感動があるかもしれないからね。

改めてじっくりと読んでみる。ほんとにシンプル極まりないんだよね。

「オッカムの剃刀」という言葉を思い出した。正解とは、剃刀で余分なものを削ぎ落としたようにシンプルであるということを表す言葉。まさしく『ねないこだれだ』はオッカムの剃刀的であると。

わずか24ページ。1分で読めてしまう。それでも、僕も含めた子供たちを恐怖のどん底に叩き落とすんだからね。

これ以上シンプルでこれ以上、人間を怖がらせた本ってあるだろうか?

幼い僕が“死”を知った瞬間

絵本に初めて親しむ小さな子供向けの本。だけど、このお化けが幼少期の僕を恐怖のどん底に叩き落とした。

僕は、『ねないこだれだ』を母親から読み聞かせてもらって、生まれて初めて「死」というものを知った。

お化けに連れられていったらどうなるんだろう?どんな世界があるのだろうか?

それとも……もしかしたら何もない?心臓を触って鼓動を確かめ、自分が存在していることに安堵のため息を漏らす。

死っていうのが根元的な恐怖を伴うってことを感じた、初めての瞬間がこの絵本なんだよね。

この絵本を読んで以来、夜の闇が怖くて怖くてしかたなかった。たとえ眠れなくて目が覚めていても、決して起きてることがバレないように寝たふりをしていた。

たとえば会社の偉いさんの言うことなんて全然聞かないけど、このお化けの言うことなら今でも素直に「はい!」って返事しちゃいそうなんだ(笑)

寝たふりしても逃げられないよ

暑くて寝苦しい今年の夏。あなたの読書体験のひとつに『ねないこだれだ』を加えてみるのもいい。

あの恐怖をもう一度味わって、背中に冷たいものを感じるのも面白いんじゃないかな。お化けの恐怖を思い出せば、早寝早起きの生活がやってくることは間違いなし(笑)

……でもね。人間は最後には必ず死ぬんだ。
そこだけは、どんなに寝たふりしても逃げられないんだよ。にやり。

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