
筆記テストの採点待ちだった唎酒師。
先日、ついに、そのときが来た。
メールで届いた通知。
開いてみると、そこには「提出したレポートが評価されました」とある。
おそるおそる、メールに記されたリンクをタップした。
ドキドキが指先まで走る。
ページが開き、目に飛び込んできたのは…

合格の二文字!!
やったぜーーー!!
この瞬間のために、一年越しで想いを募らせてきた。
睡眠時間を削って、仕事の合間も頭の中は日本酒のことばかり。
勉強なんて、これまでの人生で避けて通ってきたのに。
あの2週間だけは、マジで真剣だった。全力で走った。
採点結果と「痛恨の一手」
合格通知と一緒に、先生からの講評も届いた。
テイスティングの点数は80点。

…うん、悔しい。
悩みに悩んで、最初に感じた印象と逆の酒を選んで提出したあの問題。
あれが大外れだったみたい。
「えい、こっちだ!」って思いきって賭けたけど、やっぱり最初に感じたインスピレーションって、信じるべきだった。
素直な感覚、もっと大切にしよう。
セールスプロモーションは90点。
明らかなミスはなかったけど、あと10点分はきっと、“実感”と“深み”が足りなかったんだろうなって思う。
その10点は、これからの学びで取り返す。
きっと、先生からの「このまま進め」っていうエールだったんだ。
「唎酒師」という肩書きの重さ

資格は取った。夢はかなった。
でも、そこからまた、新しい気持ちが湧いてきた。
……僕ごときが、唎酒師を名乗っていいのか?
テキストを暗記しただけで、唎酒師って名乗れるのか?
あのテイスティングで1本外してる僕が、唎酒師って言っていいのか?
胸の奥が、少しザワついた。
でも、思ったんだ。

この資格って、「完成した人」が持つものじゃなくて、これから酒の世界に飛び込んでいく人が持つ資格なんだって。
一歩踏み出すための、最初の切符。
合格はゴールじゃなくて、はじまりだった。
だから僕は、また飲む
まずは、大外ししたあの課題酒。
もう一度、ちゃんと味わおう。
体に刻み込むように。
そして…
冷蔵庫の野菜室を占拠していたトレーニング酒たち。

キンキンに冷えた彼らを、一本ずつグイッと片付けていこう(笑)
ああ、なんたる爽快感。
まるで、すっきりとした日本酒を飲み干したときのような、ふわっと晴れやかな気持ち。
僕は唎酒師だ。
まだ何も知らないけど、だからこそ面白い。
これから日本酒の世界を、もっと深く、もっと自由に旅していこう。
唎酒師の名にかけて、僕は学び続ける。
その一杯に、心を込めて。










