関東の観光地って修羅の国かも。小田原のアジフライを食べたら、名古屋って……

2026-05-14

湘南旅行3日目。この日で、旅は最終日である。

ホテルをチェックアウトして、そのまま大曽根へ戻るのは、少しだけ寂しい。

旅行の最終日って、なんだかあっさり終わらせたくないんだよね。どうせなら、もう一箇所めぐってから帰ろうではないか。

というわけで、新幹線は「こだま」に乗ることにした。目的地は、小田原。十数年ぶりに訪れる街である。

小田原駅に降り立つと、改札前には名物の巨大小田原提灯がデデーンとお出迎え。

駅からは小田原城も見渡せる。

さすが、北条氏が5代にわたって関東を支配した城下町。駅前からすでに歴史の圧がある。

さて、小田原で何を食べるか。

僕が向かったのは、「小田原アジフライセンター」というお店。

アジフライって、美味しいところで食べると本当にこの世のものとは思えないほど絶品だからね。

魚が美味しい小田原。その小田原にあるアジフライ専門店。

これは、間違いないはず。

小田原でアジフライを食べる

小田原駅正面からまっすぐ歩くと、すぐにお店が見えてくる。

店内には大漁旗が飾られていて、いかにも魚が美味しそうな雰囲気。大曽根の方ならよくご存知の「魚洋丸」を、少し広くしたような感じ。

もちろん、注文したのはアジフライ定食。

ほどなくして、アジフライが運ばれてきた。

衣の上からでも分かる。ふっくらとして、丸々としたアジ。これは期待できる。

ガブリとかじる。

大正解でした。

このアジ、着痩せするタイプです(笑)

衣の中に隠れていた身が、想像以上にふっくらしている。脂の乗ったアジから、じゅわっと旨みが染み出してくる。

一口ごとに広がる相模湾の美味さ。

これは、小田原で食べる意味があるアジフライだった。

旅先で美味しいものを食べると、それだけで「寄ってよかった」と思える。小田原で途中下車した自分を、心の中で軽く褒めた。

さて、お腹もいっぱいになった。

このまま駅へ戻って、こだまに乗る。そのつもりだった。

ところが、駅へ戻る途中で、小田原の本当の強さを見せつけられることになる。

小田原駅前が、まるで新しい城下町になっていた

十数年ぶりに訪れる小田原。歩いていて、景色が変わっていることに気がついた。

駅からお城へと続く道が、「新城下町」と銘打ってリニューアルされていたのだ。

雰囲気としては、伊勢のおかげ横丁のような感じ。土産物屋、飲食店、昼飲みできそうなお店がズラリと並んでいる。

小田原名物をこれでもかと楽しめる場所になっていた。

「すげー盛り上がってんじゃん」

そう思った。

ところが、これはまだ半分だけだった。新城下町には、2階があった。

エスカレーターで上に上がってみると、驚いたね。

駅のデッキ部分をそのまま飲食フロアにして、20軒近くの飲食店が軒を連ねていたんだ。

真ん中のエリアにはテーブルが並んでいる。お日様の下で、ご飯やコーヒーを楽しめる。もちろん、店内でも食事ができるので、雨の日でも問題なさそう。

小田原って、こんなに変わっていたのか。

コーヒーを飲みながら、僕は考えていた。関東圏の底知れないパワーについてだ。

関東の観光地は、完成しない

関東の観光地って、行くたびに違う表情を見せる。

常に開発を続けている。完成したから終わり、という感じがない。

小田原もそうだった。

小田原には小田原城がある。歴史もある。魚も美味しい。

それだけでも十分に観光地として成立しそうなもの。だけど、それだけで終わらせていない。

駅前の空いていたスペースや、少し寂しくなりそうな場所を、新しい楽しみに変えていく。街の中に、次の目的地を作っていく。

その力がある。

小田原の周りには、熱海、箱根、湘南がある。だから、停滞した瞬間にお客さんは別の場所へ流れてしまうのだと思う。

「お城があります」
「海があります」
「昔から有名です」

それだけでは、人は何度も来てくれない。

来るたびに、少し新しい。
前より歩きやすい。
前より食べる場所が増えている。
前より写真を撮りたくなる。

そういう更新が、観光地の強さになる。

小田原の新城下町を歩きながら、そんなことを考えていた。

名古屋は、ようやく観光に向き合い始めた

以前、プロ野球チームの関係者からこんな話を聞いたことがある。

関東の選手は、ただ試合に出るだけでは誰も気にも留めてくれない。人気選手になるためには、自分からメディアに話題を提供できるように、試合以外でも頑張っている。

一方で、名古屋にはチームが一つしかない。だから、試合に出ていなくても周りがチヤホヤしてくれる。そのせいで、自分は特別な存在だと勘違いしてしまう選手も中にはいる。

そんな話だった。

なんだか分かる気がした。観光地だって同じなのかもしれない。

関東は、ライバルだらけ。熱海、箱根、湘南、小田原、鎌倉、横浜。少し気を抜いたら、すぐに別の街へ行かれてしまう。

名古屋はどうだろう。

最近になってようやく、熱田神宮周辺が開発されてきた。「あつたnagAya」のような新しい場所もできた。

「市役所」という、なんとも無粋だった地下鉄の駅名も「名古屋城」に変わった。少しずつ、観光を意識するようになってきたのだと思う。

それ自体は、ものすごくいいことだ。

ただ、小田原を歩いた後だと、どうしても感じてしまう。

名古屋って、本当にぼんやりしてるよね。

一番ぼんやりしている僕が言うから、間違いない(笑)

お客さんを獲得するために、日々鎬を削っている関東の観光地。その空気を肌で感じると、名古屋はまだまだ重い腰を上げ始めたばかりなのだと思う。

関東の強豪観光地軍団から、名古屋がお客さんを奪える日が来るのか。

小田原のにぎわいを見た後だと、どうしても考えてしまった。

大曽根に戻ってきた

大曽根駅に降り立った時、夕立でものの見事にずぶ濡れになった。

歩いている人は少ない。

小田原のにぎわいを見た後だと、やけに静かな街に見えた。

◆大曽根商店街近くで美味しいお魚を食べるなら大曽根ランチに迷ったら「魚洋(うおひろ)丸」。天然魚専門店で、絶品ごはんを食べようぜ!

旅行記のよく読まれている記事
最新記事