
島ぞうりでランニングを始めて5ヶ月。
体への負担は結構あったみたいだ。
足首が痛む。
骨の奥の方から、ズシンと重たい痛みが伝わってくる。
これは一旦、島ぞうりから離れて回復を待つべきかもしれない。下駄箱の奥に、ウォーキング用としてしまっておいた厚底シューズを取り出した。
アルトラのオリンパス275。
ふかふかのマックスクッションで、衝撃なんてへっちゃら。100kmウォークでも足の痛みなくゴールまで連れて行ってくれた、頼もしいやつだ。
いつかまた世話になる時が来ると思って、待機してもらっていた。
ついに出番である。
100kmを歩いた相棒よ、今日も頼む。
身長は伸びた。安定感は減った

オリンパスを履いて玄関を飛び出す。
2センチくらい身長が高くなる。ちょっとだけ強くなった気がする。
ただ、なんだかフワフワとした履き心地で、重心が定まらない。階段を駆け降りる時、思わず手すりを握っていた。
全然強くなっていない(笑)
走り出した。
足首の痛みはない。
さすがマックスクッションである。

ここ最近のお気に入り、涼しいバンテリンドームのデッキで走ってみた。
土曜日ということもあって、たくさんのランナーがいる。後ろからランナーが雨あられのように降ってくること。
世のランナーのみなさんって、速いんですね(笑)
僕はただ、ゆっくりのんびり走るだけ。
今日の目標は、15キロのジョグ。
分厚いクッションに足を守られて、快調に走れるはずだった。
足首は守られた。つま先は知らん顔

しかしだ。
足が重い。
シューズの重みが、ずっしりと足にまとわりついてくる。脚を前に出すたびに振り回される感じがあって、足を真下に着地させるだけで余計な力を使う。
こんなに違うのか。
島ぞうりとは完全に正反対である。
しばらく走っていると、今度はつま先がジンジンと痺れ出した。軽くつねられているような痛み。じわじわと強くなっていく。
あれ、前にオリンパスで走っていた時って、こんな痺れはあったっけ?
厚底に戻せば楽になると思っていた。
けれど、楽になるどころか、足の感覚が靴の中で痛みに変わっていく。痺れはどんどんひどくなり、しまいにはつま先の感覚が薄れてきた。

さらに、バンテリンドームの単調な景色がとどめを刺してきた。
走れども走れども、柱が延々と続くだけ。
涼しいのはありがたい。ただ、周りを見れば見るほどテンションは下がっていく。
あぁ、もうあかん。
完全に心が折れた。
15キロ走るつもりが、9キロでリタイア。
情けない。
足全体を守るために厚底へ戻したのに、足首しか守ってくれなかった。
心とつま先は守備範囲外だったらしい。
変わっていたのは、靴ではなく足だった

ワラーチランナーには、「ワラーチで走れるようになるとシューズに戻れない」というあるあるがある。
まさしく、そんな感じだった。
島ぞうりの軽さ、足指の自由さに慣れてしまうと、シューズが窮屈に感じる。なんなら痛みさえ出てくる。
もちろん、オリンパスが悪いわけじゃない。100kmウォークを支えてくれた頼もしい靴なのは間違いない。

靴が変わったわけではない。変わっていたのは、自分の足の方だった。
島ぞうりで5ヶ月走った足は、もう以前の足ではなくなっていた。これが野性の感覚ってやつなのかも。
ジンジンと痺れるつま先をシャワーで洗いながら思った。
足首はまだ痛む。サポーターでも巻いて、痛みがなくなるまで短いジョグにしておこう。
島ぞうりの軽さと足指の自由さを知ってしまった。もう厚底には戻れない。
◆島ぞうりに出会わなければ無敵のシューズだった:ゲイターいらずの救世主!100キロウォークの秘密兵器!アルトラ・オリンパス275ゲット





