矢田川を下れば海にたどり着く。それくらい簡単なことだって思うでしょ?
でも、そううまくはいかないのが人生の面白いところ。まるで川の流れのようにね。
さぁ、僕と一緒に、このちょっと意外な矢田川下りランニング旅に出かけよう!
ポカポカ陽気の中、ランニング旅スタート
コースはシンプル。大曽根から矢田川沿いを下り、海に出たらゴール。距離はだいたい20キロ弱かな。
12月になったというのに、風がなくポカポカ陽気。まるで、走ってくれって言わんばかりの気持ちのいい天気。流れる矢田川を右手に見ながら、スムーズに走り始めた。
「こりゃ今日の挑戦は楽勝だな」なんて余裕だったんだけどね。
これから試練が待ってるのはまだ何も知らないんだよね(笑)。

まっすぐ走れない…
走り始めて5キロ。最初の試練が訪れた。
河川敷はゴルフ場のエリアで進入できない。
仕方ない、堤防の道を走ろう。堤防道路は申し訳程度に、路肩の白線が引いてあるだけ。
歩行者が通るのは危険な道路。
車が来るたびにガードレールにへばりついて、心の中では「こんなはずじゃなかった…」と嘆いてた。


河川敷が走れそうになると下に降りて走る。
しかし、畑になってたり自動車学校になってたり。
やぶの中を分けいったり、堤防に上ったりを繰り返しながら進んだ。「もしかしてトレランじゃないか?」って思ったんだ。


まるで迷路?
7キロほど走ると、矢田川は庄内川に合流して水量は倍に。
ここで矢田川の名前は消え、庄内川になる。

12キロほど悪戦苦闘しながら走ってると、河川敷の中にある古い堤防の道に出た。
木漏れ日の中を走る静かなコース。
「このまま、走り続けられたら楽しそうだな」って思ってたら…やっぱり、ここも通行止め。
ひたすら続く通行止めの連続。その度に堤防に上るの繰り返し。


その堤防道路もスレスレをトラックが爆走していく。
どこを走っても障害だらけ。
「これ、ランニングじゃなくて迷路探検?」って思わずツッコミたくなったよね。
結局、あきらめて堤防の下の街を走ることにした。しかし、これだけ幅が広い川なのに人ひとり通れないってどういうこと?

あきらめて街中を走ることに
16キロ地点の「稲西車庫」。変わり映えのしない住宅街。
ここはどこなんだ?ゴールは近いのか?遠いのか?何も分からなくて心が折れている。
コンビニで休憩をとりながらふと思った。「ジムのトレッドミルを走ってるみたいだ」。
走る気持ちがどんどん後ろ向きになっていくのを感じていた。

ランニングの神様は僕に試練を与えてるんじゃないか?
そんな時、「試練は乗り越えられる者にしか降りかからない」って言葉を思い出した。
なるほどね、この試練を乗り越えられればハッピーエンドが待っているはずだ。やると決めたらやり通すのみ。太陽の向きと、遠くに見える堤防を頼りに、また走り出した。

潮風を感じた。ゴールは近い
右手に見える堤防が高くなっていく。そろそろ河口は近いんじゃないか。
街の中をさまよう途中、ふと古い神社に出会った。
25キロ過ぎの熱田神社。時間が止まったような静けさに、少し心が和んだ。

ここで堤防に上がって河川敷を見てみると、1キロくらい先に海が見えた。
通行止めもなく、まっすぐ走れるようになっている。
このまま一気にゴールに駆け込むチャンスだ。河川敷に降りて最後のスパートを始めた。ゴールが見えると元気になる。ランナーあるあるだよね(笑)。


試練の後にはご褒美が待っていた
河口に広がっていたのは、野鳥たちが集まる楽園、「藤前干潟」。
西陽に照らされて金色に輝くヨシ原だった。
キューキューと鳴きながら羽ばたく鳥たち。
そして、静かに波打つ水面。
思わず、息をのんだ。
疲れがすっと消えていく感覚だった。潮風に吹かれながら地べたに寝転がる。静けさと美しさに包まれた瞬間、これまでの試練が報われた気がしたんだ。

20キロのはずが27キロに
予定では20キロ弱だと思ってたのに、迷いながら進んだ結果、距離は27キロにのびていた。
駅の近くのコンビニでご褒美のビールを楽しんで大曽根へ。
矢田川下りをもう一度やりたいかって?うーん、正直微妙(笑)。
でも、僕みたいに迷いながらも走るのが好きな人なら、きっと楽しいはず!自分だけの道を見つけて進む。そんなランニングの醍醐味を、ぜひ味わってほしい。






