
速く走れるようになりたい。
けれど、長く走るとすぐ疲れてしまう。
そんな悩みを持つランナーは多いと思う。
僕もその一人。「楽して限界突破したい」と思っていたら、面白い言葉を見つけてしまった。
「江戸走り」。
江戸時代の飛脚や旅人の走り方をヒントにした、身体への負担を抑えて長く進む走り方らしい。
ウルトラマラソンに没頭していた十数年前、僕もかなり近いことを考えていた。
「スモールランニング」という走りである。
要は、できるだけ消耗を防ぎ、小さな動きで遠くまで走ろうということ。
江戸走りとスモールランニング

やり方はこうだ。
着地は重心の真下。足は体より前に出さない。
着地したら、すぐに足を上げて前に運ぶ。地面を蹴って進もうとしない。
体を少し前に倒し、推進力は重力に任せる。
この走りだと、下半身の動きをかなり抑えたまま進むことができる。
江戸走りとスモールランニング。
名前は違うけれど、考えていることはかなり近い。結局、遠くまで走ろうとする人間は、同じ場所にたどり着くのかもしれない。
そんなことを考えていたら、試さずにはいられなくなった。
梅雨入りの矢田川へ

東海地方で梅雨入りしたこの日、江戸走りを試すため矢田川へと向かった。
夏の直前に小雨が降るなんて、本当にご褒美だよ(笑)
冷たく顔に当たる小雨が気持ちいい。
江戸走りというか、僕で言うならスモールランニング。
一つだけ気をつけるなら、足を体の前に出さないこと。忘れていた感覚だった。
憧れのフォームは長く続かない
最近は、憧れの大迫傑選手のようなダイナミックな走りを真似していた。
そのおかげで速く走れるようになりつつある。ただ、長く走れない。走力は上がっているはずなのに、身体が先に音を上げる。
足を重心の真下に置いて、ゆっくり小さくコツコツと進む。
すると、不思議なくらい穏やかなランニングだった。
遅い。けれど疲れない

1時間走り終えた。
まぁ、遅いですわ(笑)
ペースは、いつもよりキロ30秒ほど遅かった。数字だけ見れば、ただ遅くなっただけ。
けれど、この日はそれでよかった。
遅くたっていい。いや、むしろ遅ければ遅いほどいい。今の僕が試したかったのは、速く走るフォームではない。
長く走り続けるためのフォームだったから。狙いどおり、疲れは少なかったね。
特に股関節周り。いつもなら内転筋とハムストリングが重たくなってくる。それが今日は、同じ距離を歩いたぐらいの疲れだった。
もちろん、これだけで江戸走りがすごいとか、スモールランニングが正しいとか言うつもりはない。
ただ一つ分かったことがある。
僕が求めていたのは、速そうに見えるフォームではなかった。
長く動き続けられるフォームだった。
走りはいつの時代も変わらない

十数年前に考えたスモールランニング。
いつの間にか忘れていたけれど、どうやら間違った方向は向いていなかったらしい。
長く走るという野望を叶えてくれるかもしれない。
令和の時代でも江戸走りは健在だった。
いや、走りはいつの時代も変わらないのかもしれない。
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