
100キロを歩くって、どんな感覚だろう。
つらいのか、楽勝なのか。全然わからない。
でも、やると決めた。だから、まずは歩いてみた。
記念すべき、最初のトレーニング。
歩いたのは10キロ。本番の10分の1だ。
「この10倍歩くって、どんな気分だろう?」
そんなイメージをつかみたくて、矢田川の河川敷へ向かった。
歩きは衝撃がないから楽だね

梅雨の合間にのぞいた青空。
しっとりと湿った空気の中に、ひんやりとした風が混ざる。
日差しは、まだやわらかい。
いつもならランニングで駆け抜けるこの道を、今日は歩く。
一歩も走らない。ウォーキングオンリーだ。
足を前に出すたび、サッ、サッ、サッ。
ランニングのタッタッタッとは、まるで違うリズム。
当然だけど、ウォーキングの方が楽だ。
着地の瞬間に、身体に伝わる衝撃がないからね。
ランニングは、一瞬で全身に力がはいる。
着地の瞬間、足の裏からズドンと突き上げる衝撃が、頭のてっぺんまで抜けていく。
ウォーキングは違う。スススと前へ体が進んでくのみ。
耐久スポーツとは、つまり砂時計である

僕にとって、耐久系エクストリームスポーツは砂時計だと思っている。
ウルトラウォークなら26時間、ウルトラマラソンなら14時間。
その時間を耐え抜くためには、体にためておいたエネルギーという「砂」が尽きないようにしなければいけない。

砂を持たせる方法は2つ。
ひとつは、砂時計をデカくすること。
つまり、体力を底上げする。トレーニングして、基礎を固める。
こういう耐久スポーツって、ある程度のレベルまでは苦しんだ(楽しんだ)ぶんだけ積み上げていける。
もうひとつは、砂時計の真ん中を細くして、落ちていく砂を減らす。
フォームを磨いて無駄な動きを減らし、体重を落とす。
さらに、日焼けや擦れといった余計な消耗を防ぐ。
この中で、いちばん効くのが体重を減らすこと。
いまの僕に、一番必要なことだね(笑)
もちろん、フォームの最適化や消耗対策も、これからの長距離トレーニングで見えてくる。
けど、まずは体重を落とす。それがスタートラインだ。
割と退屈…イヤホンが欲しくなるね

今日のトレーニングは、そんなことを考えながらの10キロ。
速歩きで進むけれど、ランと違って景色が流れていかない。
だから、正直ちょっと退屈だった。
イヤホンを忘れたことを、少しだけ後悔しながら歩く。
今、100キロを歩くのは無理

1時間50分後。
歩き終わった身体は、意外な場所が重い。
お尻、腰、背中、内転筋。
ランではそんなに疲れない部位が、ジワジワと悲鳴をあげていた。
「今100キロ歩け」って言われたら?
答えは、間違いなく無理。
体重計に乗ると、73キロ。
身長170センチの僕には、かなりオーバーだ。
あと5キロ、体重を落とそう。
歩いて、走って、汗をかいて。
きっと、それだけで違う世界が見えてくる。

最後に。
「10キロ歩くくらい楽勝だろ」
そう思っていたスタート前の僕に言ってやりたい。
ようこそ地獄へ(笑)










