己書で龍が描けない。筆ペンを置いた日、僕は燃えた

2026-02-20

どうしても上手く描けない。

僕は初めて、筆ペンを机に置いた。

その瞬間、ドラゴンの炎に焼き尽くされた。

意気揚々と喫茶はじまりへ

毎月第2、3金曜日に開かれる己書の幸座(講座)。今日は、都合により木曜日。僕は、意気揚々と幸座が開かれる大曽根商店街の「喫茶はじまり」へ向かった。

ここ最近、コツをつかんできたようで、思うような字が書けてきている。

この感覚をさらに進めて自分のものとしたい。そんな決意で今日の幸座に臨んでいた。

“総師範の龍”というボスキャラ

先生から出されたのは、龍を描くお題。

なんと、己書の杉浦総師範が描いたものを用意してくれていた。窓のような小さな円の中、ダイナミックに躍動する龍の姿があった。

「えっ?こんなカッコいいの僕に描けるの?」

第一印象は、難しそうとか、敷居の高さというか、畏れ多いというか。でも、「教え上手の先生だし、なんとかなるっしょ」という感じでスタートした。

まずは、丸を描く。筆ペンをハガキに押し付けてグルッと。

ここまではなんの問題もなかった。

羽子板?とうもろこし?(いや龍)

次は、龍を鉛筆で下書きする。

これが難しい。というか、龍に見えない。

羽子板?とうもろこし?

ゴツゴツとした顔つきから、鋭い眼光を立体的に描き出さないといけない。龍って意外と難しい。

描いては消し、描いては消し。

龍ってどんな顔の構造をしてるんだろ?手で龍の形を作ってみて、模写してみたり。

4枚のお題の中から、1枚とりあえず描いてみた。

名付けて「ハゴイタドラゴン」。レベル1でも倒せます。

ここまでで1時間。

幸座の2時間では到底時間が足りない。

2枚目で沼に沈む

2枚目に取り掛かった。

流し目でこちらを見る龍の顔。龍の絵としてはよくある構図だった。

なんだろ、全くダメだった。

どう描いても、龍の顔にならない。

お手本はざっくりなように見えるのに、その実、斜めに傾いた龍の顔が正確に描かれてるんだ。

龍の目ってどういう感じについてるんだろう?鼻って馬のような感じなのかな?顔の長さって、意外と短いのかも。

お手本をそのまま写せばいいだけの話。

でもね、それが全然できない。

描けば描くほど深みにハマっていくようで、龍の顔がよく分からなくなってくる。

消しゴムのカスが、ハガキの上に雪みたいに積もっていった。

いつも一緒に幸座を受けている方が、「腕組みしたまま、全然動かんかったねぇ」と驚くほどだった。

結局、ここでタイムアップ。1枚しか描けなかった。

“適当”に見える本気

先生はこんなことを教えてくれた。

「総師範は適当に書いてるように見えて、実はすごい細かく書いてるんですよ」

ざっくり適当に描いてるように見えた。でもね、全然違ってたんだよ。そりゃ、総師範の描く龍だ。魂がこもっている。

流し目の龍がこちらを見て、こう言ったようだった。

「這い上がってこい。…逃げるなよ?」と。

描けないんじゃない、まだ見えてない

描けなかったというよりも、まだ見えてなかった。

僕は龍という存在を、はるか遠くに感じていただけかもしれない。

目をつぶってでも龍が描けるように。

練習の目星はついている。

龍の絵はネットを探せばいくらでも出てくる。そいつらを片っ端から模写してやる。目標は、100の龍を倒すこと。

次の幸座で、先生が驚くような龍を描けるように練習してやる。

楽しいよね。伸び代があるって。ワクワクするよね。

龍が楽勝で描けるようになれば、他のものも簡単に描けそうな気がしてる。

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