オレンジ色のネコちゃんなのに、なぜか青色が見える。
しかも、その青があるだけで絵に深みが出ている。
こないだの己書のお題を見てから、ずっと気になっていた。
僕が描いたネコちゃんは、オレンジ色を塗りたくっただけ。いかにも「塗り絵しました」というありきたりな色合いだった。

色を塗っているはずなのに、なぜか平たい。がんばって塗るほど、子どもの塗り絵みたいになる。
たぶん、絵を描いたことがある人なら一度はぶつかる壁だと思う。
お題との違いは、この青色にあるんじゃないか。
そうにらんでいた。
毎月第2、第3金曜日は己書の日。幸座(講座)が開かれる大曽根商店街のオズアベニュー会館2階へ向かった。
今回の幸座で、僕は一つ謎を解明したかった。
青色をどう使えば、絵に深みが出るのか。
反対色を影に仕込む実験

そこで、こんな仮説を立てた。
同じ色をそのまま塗るだけだと、どうしてものっぺりする。
だったら、影になる場所に先に反対色を忍ばせておけば、あとから塗る色に奥行きが出るんじゃないか。
秘密のたくらみがあるって、なんだか楽しいよね(笑)
幸座へ向かう階段を上る足が軽かったのは間違いない。
仁王様と荒ぶるネコちゃん

今回のお題は、ダイナミックな絵が好きな僕のために先生が用意してくれたものだった。
仁王様の阿形と吽形。
そして、荒ぶるネコちゃんのニャアとニャン。

仁王とネコを同じ紙面に並べようと思った人、だいぶ自由である。このお題を生み出した師範の方、どんな頭の使い方をしているんだろう。天才だね。
まずはお題をよく見てみる。
灰色と茶色を合わせたような、石のような質感の仁王様。その影のあたりに、うっすら青色が乗っている。
やっぱり、反対の色を使っている。
青い影だけの仁王様

鉛筆で下絵を描き、筆ペンで力強く仁王様の輪郭を生み出す。
ここからが今回の実験だ。
筆を握り、水彩絵の具で思い切って青色から描いた。
影になる部分に、大胆に青を置いていく。
ネコちゃんの方は、わりとポップな色づかいにしたかった。原色を意識したかったので、あえて反対の色は乗せなかった。

青色の影だけが乗った仁王様。かなり緊張感がある。
まだ石の色も茶色も乗っていないのに、影だけが先に存在している。
これはうまくいくかもしれない。
ここから、石とも木とも言い切れない、灰色と茶色の間みたいな色を乗せていく。
水加減に気をつけながら、青色を隠すように塗ってみた。
深みは出た。でも、段になった

色を塗り終えた仁王様を見る。
影の部分に、なんともいえない深みがある。立体的というか、影の部分が少し奥へ沈んで見える気がする。
うまくいった。
少なくとも、ただ色を塗っただけの絵ではなくなった。
先生からも、「今日はよく描けたんじゃない?」と、お褒めの言葉をいただけた。
ただ、手放しで全部よかったわけではない。

青色を乗せたあと、完全に乾かしたのがよくなかったらしい。
青色と茶色と灰色がうまくなじまず、少し段になってしまった。影というか、本当に青色の仁王様に見える部分があったこと。そこは心残りだった。
深みは出た。
でも、なじませ方には課題が残った。
もしかしたら、最初に青を乗せるのではなく、あとから乗せるべきだったのか。
それとも、乾ききる前に重ねた方がよかったのか。

一つ謎が解けたと思ったら、また次の謎が出てきた。
どうやら新しい課題ができたみたい。
さて、また夜な夜な筆を取りますか。
◆ペンだけが増えていく……:3色使ったのに全部オレンジ?ぺんてる「アートブラッシュ」で己書のネコちゃんを描いてみた





