
万年筆の世界に片足どころか、腰までズブズブ浸かってしまってる自覚はある。
しかも今や、「ふでDEまんねん」で夜な夜な落書きをしてるのが一番のリラックスタイム。
細い線も、ベタ塗りも、すべてこの一本。
まるでペン先の波に乗ってサーフィンしてるような日々。
ただ、使っているうちに、ひとつ気づいてしまったんだよね。
55度モデル、描くには…ちょっとツラい?
僕が使っていたのは、ペン先が55度に曲がっているモデル。
紙にペンを当てる角度によって、線の太さがグワッと変わるという、あの“魔法のような機能”に魅了されたんだ。

でも、いざ絵を描こうとすると…
ペンを垂直に立てる必要がある → 手首に不自然な力が入る
ちょっとでも余分に傾けると、ドバッ!と太線になる → 線のコントロールが激ムズ
いつしか、「これは…手が悪いのか?」って疑い始めるようになっていた。
まるで、ナイフの刃の上を歩くような筆圧コントロール。集中するのは絵じゃなくて、手首の角度ばっかり。
これじゃ本末転倒だ。
次なる一手──40度モデル、いってみようか
そんなある日、Amazonのボタンに指が吸い込まれた。
「ふでDEまんねん40度」モデル。1300円。
…いや、ふでDEまんねんって安すぎない? 万年筆って高級文具のカテゴリーに入ってるの、忘れてるよね?(笑)

翌日にはポストに届いていた。
いつもの通り、プラスチックの袋で包まれただけの簡素なパッケージ。無骨で、実直で、すごくいい。
55度モデルとの違いは、パッと見ただ一つ。
軸の色が若竹(緑)から紺色に変わったこと。
──だけ。
でも、中身は、ぜんっぜん違った。


これは…描ける。自然に描ける
インクをセットし、そっとペンを紙の上に落とす。
まず感じたのは、自由度だ。
少しぐらい寝かせても、ドバッと太くなったりしない。
一定の太さを保ったまま、スルスルと線が引ける。

この安定感。
まるで、無理やりねじってた手首が、「ありがとう」って言ってるような感覚。
しかも、絵に使いやすいコピックのマルチライナー0.5ミリほどの線が出る。
僕にとっては、これがベスト。ミリペンのような感覚で、でも万年筆の滑らかさ。
描くことに集中できる。これ、ほんとに大事



55度では「描く」前に、ペン先を垂直に「構える」が必要だった。
今はもう、手がそのまま気持ちに連動して線を描いてる感じがある。

そして、気づいたら…
描く量が増えてる。
気持ちも軽くなってる。
「これ、楽しいな」
小さな声で、自然とつぶやいてた。
お気に入りの一本を見つけるって、こういうことなんだ
最初は「みんながオススメしてたから」買ったふでDEまんねん。
でも、実際に使ってみたら、ちょっと違和感が見つかった。
だから、少し変えてみた。
ほんの15度、角度を変えただけで──
「自分にフィットする一本」に出会えた。
このゾクッとくる感じ、たまんない。
気づいたら、誰かに「これ、いいよ」って教えたくなる。
そして僕は、また探しはじめる
もちろん、万年筆だからこその手間もある。
インクの管理、ペン先のケア、ちょっとした詰まり…
「もう無理」ってなったら、マルチライナーに戻ればいいだけの話。
でも今は、この40度と一緒に描き倒してやろうと思ってる。
その先で、また新しい一本に出会うのかもしれないし──
それはそれで、楽しみがひとつ増えたってことかもね。
◆今度はインク沼が待っていた:もう黒でいいんじゃない?──万年筆インク「極黒」に魂を奪われた夜




