
大曽根商店街の中心にある平和の象徴のような広場「ドロシーの泉」に、なぜか場違いな建造物がある。
なぜ、そこにこんな物騒なものが建っているのか。僕はずっと、その理由を探っていた。
わくわくフェスタは、聞き込みのチャンスだった

4月26日の日曜日。
商店街では、春のお祭りとなる「わくわくフェスタ2026」が開かれていた。
「おっと、こいつはチャンスなんちゃう?」
誰か、ギロチンのことを知っている人が見つかるかもしれない。
そう思った僕は、わくわくフェスタに繰り出した。
商店街は完全にお祭りモードだった。
通りを埋め尽くすように並ぶ30軒の屋台。あちこちに設けられたステージ。アイドルのライブ。和太鼓の乱れ打ち。
春の大曽根商店街が、いつもより少し浮き足立っていた。
ハーフマラソンより、ギロチンを追う男

いつもマルシェでお世話になっているユーモアコーヒーさんの屋台も出ていたので、美味しいコーヒーをいただく。
ありがたいことに、僕のブログを読んでくれているとのこと。
ぎふ清流ハーフとかぶっていたこの日、僕はお祭りには来られないかもしれないと思われていたみたい。
たしかに、普通ならそうである。
レースの日に、商店街の祭りでギロチンの謎を追っている男。我ながら、人生の優先順位が少しおかしい。
にぎわいの中の、ひとり探偵

さて。
お祭りをひと通り楽しんだら、いよいよミッションスタートである。
商店街事情に詳しそうな人を探す。とは言っても、僕は顔が広いわけでも、社交的な人間でもない。
いったい、誰に聞けばいいんだ?
屋台のにぎわいの中で、僕だけが物騒な建造物の謎を追っている。春祭りの会場に、ひとりだけ探偵気取りのおっさんが紛れ込んでいた。
そんな気分だった。
「今、ギロチンって言うんだ」

喫茶はじまりをのぞいてみる。
すると、以前に商店街について教えてくれた方が座っていた。
今しかない。僕は思い切って声をかけた。
「商店街のギロチンってご存知ですか?」
すると、返ってきた反応は、これまで話を聞いた方たちと同じだった。
「えっ、ギロチン?」
やはり、そうなのか。商店街に深く関わっている方でも、あの建造物を「ギロチン」として認識しているわけではないらしい。
しばらくの沈黙のあと、その方がぽつりと語ってくれた。
「今、ギロチンって言うんだ」
おお。
これは、かなり重要な証言ではないか。
鍵は、消えたアーケードにある

どうやら、「ギロチン」という名目で作られたものではないらしい。
後から誰かが、こじつけで「ギロチン」と呼ぶようになったのではないか。
そんな話だった。
さらに、あの建造物は、商店街のアーケードを撤去して再開発したタイミングで作られたはずだと。
つまり、鍵は「再開発」にある。
そして、その再開発の陣頭指揮を取った方は、すでに旅立たれているというお話だった。
真相は、藪の中。
いや、大曽根商店街の場合は、アーケードの記憶の中かもしれない。
真相は、街の記憶の中へ

ただ、その方は最後に、こう言ってくれた。
「調べときますよ」
ありがとうございます。
大曽根商店街ギロチンミステリーは、ここで終わらなかった。
むしろ、ここから一段深くなった。ギロチンは、本当にギロチンだったのか。それとも、街の誰かが後から名づけた、物騒なあだ名だったのか。
平和な広場に立つ、謎の建造物。
その正体は、消えたアーケードと、再開発の記憶の中に眠っているのかもしれない。
大曽根商店街ギロチンミステリー。クライマックスは、近そうである。





