これ以上の傑作にはもう出会えないかも。だから僕はランニングシューズと決別する

もう、うんざりなんだ。

新しいランニングシューズを探すのが。毎年、買っては外し、外しては買いの繰り返し。

最高の一足に出会ってしまったからこその落胆

お気に入りのシューズがある。アルトラのヴィアオリンパスというシューズ。

指がシューズの中で思いっきり広げられて超快適。カカトとつま先の高さが一緒なので、急かされるような突き上げ感もなくリラックスして走れる。超厚底で雲の上を走ってるような気持ちよさ。

「これ以上のランニングシューズは存在しない」と日々、矢田川で感動の涙を流しているくらいだ。いや、汗が目に入っただけかな。

「VIA OLYMPUS」神々が住む山の名をいただく無敵シューズにも弱点がある。

それは、手に入らないこと。

「えっ、じゃあ、どうやって手に入れたの?」って声が聞こえてきたね。

実は、アルトラのシューズって大大大人気。発売されたらすぐ注文しないと、速攻で売り切れてしまう。僕はヴィアオリンパスが出てすぐに注文したからゲットできた。

サバみたいな消耗品

ランニングシューズって例えるなら、サバみたいに腐りやすい。

シューズの寿命は走行距離600キロと言われている。月200キロ近く走る僕は、すでにその距離を越えた。地面が消えるような、極上のクッションがなくなってきて「あぁ、そろそろか」って切なくなってくる。

考えてほしい。3ヶ月で3万円近くするシューズを買い替えるんだ。

僕がランニングを趣味にしてるのは、お金がかからないから。なのに、この出費。そのお金でブリューパブ大曽根に入り浸って、美味しいビールに溺れたいんだよ(笑)えっと計算すると、ハーフパイントが40杯飲めるかな。

秋が来るたび、足元が揺れる

「腐る」にはもう一つ意味がある。

ランニング新シーズンの秋。各メーカーは僕みたいなランニングマニアに向けて、きらびやかな新シューズを発表する。僕も毎年、秋になると新モデルが楽しみで買い替えていたんだ。

「ウォー最高!」って年もあれば、「アレ、思ってたんと違う」って年もある。ハズレ年だとシューズ難民になって、気に入ったシューズを見つけ出すまで何足も買い替えるハメになる。

前のモデルが自分の足に合って気に入っていたのに、新モデルになると全然別モデルになっているんだよね。

メーカーが心血を注いで開発したシューズを「腐る」とは言い過ぎかもしれない。

でもね、安心して履けるシューズが欲しいだけの人にとっては、「腐った」としか思えないんだ。

僕はメーカーの手のひらで踊る孫悟空だった

ここまで読んでくれた賢明な読者様は、お気づきのことでしょう。

シューズメーカーが罠を仕掛けてるってことを。

あくまで僕の想像だけど、メーカーはあえて毎シーズン全然違う履き心地に変えてると思う。

そうすれば、僕みたいな履き心地に神経質なやつが、何足もシューズを買うことになるからね。

ランニングを始めて30年以上、ずっとこの繰り返しだった。僕はメーカーの手のひらでずっと踊らされてきたんだ。釈迦如来の手のひらから逃げられなかった孫呉空のように。

最高傑作の、その先へ

ヴィアオリンパスは僕のシューズ遍歴の中でも最高傑作と言っていい。

それは認める。瞬殺で売り切れる理由が今ではよく分かる。できることなら、こいつとずっと走っていたかった。

ただ、もう手に入らないし、新モデルがいつ出るか分からないし、その新モデルも安心して履けるか分からない。そして何より今の相棒は寿命が見えてきた。

だから、ランニングシューズと決別することにした。

つづく。

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