冬の大曽根に、この酒あり。金虎の「にごり酒」開封の儀!

2025-02-20 /

冬の訪れを、カレンダーではなく「お酒の栓を開ける音」で感じる。

そんな大曽根の冬の風物詩がある。

大曽根が誇る 金虎酒造 から、この近辺の限られた酒屋にだけひっそりと卸される 「にごり酒」 だ。

「初しぼり」と兄弟のような関係で、年末の冷たい空気とともにやってくるこのお酒。

毎年この時期になると 「これを飲まないと、大曽根に住んでる意味がない!」 と思って、いてもたってもいられず酒屋へ走るのが恒例行事になっている。

ビンを手に取ると、底には白いにごりがどっしりと沈んでいる。

そして、ビンの首には 「取扱注意 横にしたり、振らないでください」 の注意書きが書かれた札が下げられている。

……そう、こいつは「生きてるお酒」 なんだ。

開封前の静寂——「生きたお酒」の正体

このにごり酒には 生きた酵母 がそのまま封じ込められている。

だから、栓には小さな 空気の通り穴 が開いていて、普通の日本酒のように密封されていない。

一般的な日本酒は、ビンごと熱処理され、酵母の活動を止めることで安定した味わいをキープする。

しかし、このにごり酒は 生のまま

酵母が 現在進行形で炭酸を発生させている んだ。

だからこそ 流通ルートも極端に限られる。冷蔵保存が徹底されている店でしか売られない。

つまり、大曽根に住んでいる僕たちは、奇跡的にこのお酒に出会えるわけだ。

こんな特別なお酒を前にして、じっとしていられるわけがない。

緊張の一瞬…「開封の儀」

さあ、いよいよ開けるぞ。

……が、ここで慎重にならなければならない。

この酒の開栓には、テクニックがいる。

雑に開けると、吹きこぼれて大惨事になる。

にごりが下にたまっているからって、ゆすったり横にするのは論外だ。

手順はこう。

  1. ビンをゆらさないように、そっと栓を回す。
  2. 栓を少しゆるめ、泡が立ち始めたら、すぐに閉める。
  3. これを何度か繰り返して、泡が落ち着くのを待つ。

この工程をミスると、炭酸の勢いでお酒が噴き出し、貴重なにごり酒が床にぶちまけられる。

大曽根に引っ越したきた当初は、正しい開け方を知らずに何度も涙を流したよ。

慎重に、慎重に……。

「シュワァァァ……」

ビンの底から泡がシュワシュワと上がってくる。

そして、にごりが静かにかき混ぜられ、お酒の色がじわじわと真っ白になっていく。

「よし、準備完了だ」

輝きを放つひと口。五感で味わうにごり酒

グラスにそそぐ。

白い……。

まるで甘酒のような、クリーミーな白さ。

そこから シャンパンのような繊細な泡 が立ち上る。

鼻を近づけると、ほのかに甘酒のようなやさしい香りがする。

……さて、いただこう。

ひと口。

舌の上に衝撃が走る。

最初に感じるのは ビリリッとした辛口の日本酒のような刺激

炭酸の微発泡が舌の上でお祭りをしてるようだ。

その後、じわりと広がる 米の甘みとコク

まるで日本酒とシャンパンの中間のような、新しい世界が広がる。

一言で表すなら、 「硬派な甘さ」 だ。

見た目はふわっとしているのに、味わいはしっかりと力強い。

アテとの相性、実験開始!

1️⃣ コンビニ惣菜

まずは コンビニ惣菜の味付けタマゴとチキン南蛮 をつまみにしてみる。

普通に美味しいね。

にごり酒の甘みと鋭さが、惣菜の強めの塩味と絶妙にマッチ。

思わず「うん、これだ!」と声が出た。

2️⃣ 節分の福豆

次に試したのは、醤油とノリの風味が香る福豆

パリッと噛むと、口の中に広がる香ばしさ。

そこに、にごり酒を流し込む。

……なんだこの一体感。

米の甘さと大豆の香ばしさが、見事に補完し合っている。

3️⃣ バーナーであぶったスルメ

最後に、スルメを バーナーであぶって にごり酒と合わせる。

「ジュッ……」と焼き目がついたスルメをちぎり、一口。

そこににごり酒を流し込むと、 焼き目の香ばしさと、にごり酒の甘さがからみ合い、最高のマリアージュが完成 した。

これぞ、日本酒の真骨頂。

大曽根の冬は、この酒とともに

こうして、にごり酒とともに 冬の夜は静かにふけていった。

大曽根には 美味しいお酒を楽しむ文化 がある。

そして、この 「生きたお酒」 を飲める幸運に、心から感謝する。

大曽根の酒屋の冷蔵庫で、静かに、ひっそりと、冬の味があなたを待っているかもしれない。

冬の大曽根に、乾杯。

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