春秋の正解、ようやく見つけた。L.L.Beanの「シャミークロスシャツ」は肌みたいな一枚だった

2026-03-25

一生ものの服が欲しかった。

毎年、春と秋になると困ることがある。

いい上着がないんだ。

コートを着るには大袈裟。でも、夜帰るころには寒い。一枚で風を防いでくれて暖かく、それでいて室内で着ていても違和感のないジャケットを、ずっと探していた。

これが意外とないんだよね。

僕が愛用してきたのは、ユニクロの感動ジャケット。軽くて、値段も安くて、本当に優秀だと思う。ところが、化繊だからね。1年着るとテカテカし出して、急に安っぽさが前面に出てくる。

悪くない。むしろ、かなりいい。だけど、「これから先もずっと着ていきたい」と思える一枚にはなりきらない。

そこで僕は、一念発起した。

流行に左右されず、長持ちして、着れば着るほど味が出る。そんな一番いいシャツジャケットを買おうじゃないか、と。

感動ジャケット5枚分の壁

いろいろ調べるうちに、たどり着いたのがエルエルビーンだった。

ざっくり言うと、エルエルビーンはアメリカのアウトドア衣料ブランド。大自然の中でガシガシ使われても平気な服を、昔から真面目に作ってきた感じがある。

僕の心に刺さったのが、「シャミークロスシャツ」という名作だった。

シャミークロスとは鹿革のこと。と言っても、素材は鹿革ではなくコットン100%。鹿革みたいに分厚く、毛皮みたいに毛羽立っていて暖かいらしい。

そして、僕の心を撃ち抜いたのがここだった。

着れば着るほど風合いが増していく。一生ものの服として付き合っていける。

これだよ、これ。僕が欲しかったのは。

とはいえ、値段は感動ジャケットの2枚分。そこまでの価値が本当にあるのか、数日悩んだ。

シャツにそんな金額を出すのか。いや、出したとして、本当に元は取れるのか。そんなことを考えながら、Amazonの商品ページを何度も開いては閉じた。

それでも最後に背中を押したのは、ある確信だった。

これ、僕がジジイになっても着ていられるな、と。

シャミークロスシャツを着たまま、一緒に年を取っていく姿が見えたんだよね。そう思えた時点で、もう負けである。ポチッといった。

袋を破った瞬間に勝ちを確信

2日後に届いた。

色は大人っぽいエンジ色。サイズはジャパンフィットのM。ちなみに僕は169センチ69キロ、筋肉質の体型である。

袋を破った瞬間、これはいいかもしれんと思った。

まず、生地がいい。分厚い。なのに柔らかい。表面にはスエードみたいな毛羽立ちがあって、「えっ、これがコットンなの?」って驚いた。

なるほど。たしかに鹿革っぽい。防御力が高そうなのに、触り心地は妙にやさしい。

着てみると、袖と丈が少し長め。

エルエルビーンって全体にゆったりしてるんだよね。ネットには「洗うと2センチほど縮む」と書いてあったので、届いたばかりなのに、いきなり洗ってみることにした。

こういう時、妙に思い切りがいい(笑)

洗って乾かして、もう一度着てみる。

うん、ちょっとだけ縮んだ。

シャツとしてはまだゆったりしている。だけど、シャツジャケットとして羽織るなら、ちょうどいい感じ。

風を通さない。ただ、それがうれしい

さっそく外に着て歩いてみた。

その日は、風も穏やかで暖かかった。Tシャツの上に羽織るには絶好の日。こういう日にこそ、本当に使える服かどうかが分かる。

歩いてみると、これがいいんだ。

風を通さない。背中からじんわり暖かさが伝わってくる。コートみたいに大げさではないのに、ちゃんと守られている感じがする。

しかも、室内に入っても浮かない。

いかにも防寒着です、という顔をしていないから、そのまま着ていられる。ずっと求めていた「春秋のちょうどいい上着」に、ようやく出会えた気がした。

スモックみたいに生きていける服

そして、着ているうちに妙な記憶がよみがえってきた。

小学校の時に着ていた、黒い長袖のスモックである。

真夏以外は、ほぼ毎日。ボタンを何度付け替えてもらったか分からないくらいに着ていた。制服というより、もう肌みたいな感覚だったね。

あまりに当たり前すぎて、「上着を選ぶ」という発想すらなかった。休みの日にスモック以外の服を着ていくとなると、何を着ればいいのか分からなくて困ったこともあった。

シャミークロスシャツを着ていると、あの頃のスモックみたいに、「これ一枚あればなんとかなる」という安心感がある。

長く着られるとか、丈夫だとか、風合いが増すとか、もちろんそういう魅力もある。

だけど、僕にとって一番大きかったのは、「肌みたいに着られるかどうか」だったんだろうね。

シャミークロスシャツは、そんな一枚になりうる予感がする。

一生もののはずが、もう次が欲しい

この一枚で生きていこう。

そう思った。

……いや、思ったんだけどね。

色違いも欲しくなってきた(笑)

一生ものの一枚を手に入れたはずなのに、物欲は元気いっぱいである。こうしてクローゼットは今日も、はち切れんばかりだ。

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