鬼を描いたら、自分の心の中が見えてきた。己書は異次元へのパスポート

2026-03-15

没頭していると、描いている世界へ飛んでいける。

この世とは違う、別次元の世界に飛んでいってみたい。

己書は、異次元を旅するパスポートなのかもしれない。

2日連続の己書で、今日は何を描くのか

いつもは毎月第2、第3金曜日に開かれる己書の幸座(講座)。しかし今日は土曜日。しかも昨日、幸座があったばかり。

土日でないと来られないという声に応えての開催となったようで、僕も先生にお願いして受けさせてもらうことになった。

さすがに2日連続となると、ブログに書くことがない(笑)

いやいや、そんなことはない。昨日は昨日。今日は今日。昨日は墨を乗せる感覚でなんだかいい感じに書けた。

その感覚を、今日はもう少し深く、自分のものにしたかった

なぜ僕は鬼や仁王に惹かれるのか

選んだお題は、鬼や達磨や虎や仁王といった、僕好みの豪快なやつ。

昨日、このお題を見てひと目で気に入って、先生にリクエストしておいた。

なぜ、こういう題材に惹かれるのか。

鬼や達磨って、人の心の中にしか存在していないからだと思う。実際、どこかにいるわけじゃない。だから描くと、自分の心の中がそのまま映し出される気がするんだよね。

花や動物だと、「こんな形でいいんだっけ?」とつい悩んでしまう。正解がありそうだから。

その点、鬼はいい。

心の中にいる鬼を描けばいい。そう思うと、一気に開き直れる。

迷いは、そのまま線に出る

さて、お題の絵を描いていく。

こういう主題を大きく描くものには、以前に教わったちょっとしたコツがある。

カスれを生かすこと。

筆ペンをグッとハガキに押し付けて、素早く動かす。勢いよく走った線の中に、白が混じる。そこに影のような立体感が出る。

逆に、迷いながら筆ペンを動かすとダメ。

「どう描くんだっけ?」と頭が止まったまま線を引くと、だいたいひょろひょろした細い線になる。自信のない線だ。迷いは、そのまま絵に出る。

1枚目は、まさにそれだった。

うまくカスれない。思い切りが足りない。線は細く、どこか頼りない。幸い、細かったぶん後からカスれた線を足してごまかせたけれど、あれは明らかに迷った絵だった(笑)

達磨に“気”が乗った2枚目

2枚目で描いたのは達磨

ここで、ようやく腹が決まった。

ただひたすら、筆ペンを押し付けてグリグリと描く。没入感が半端じゃない。達磨を描いているというより、自分が鬼の側に入り込んだような感覚だった。

「これでもか!」と筆ペンを押し当てる。

もともと存在しない世界のものなんだから、好きに描けばいい。心の中にあるものをそのまま出せばいい。

そうやって描いた達磨は、睨みつけるような視線の強さが出た気がした。4枚の中で、いちばん気に入ったのはこの2枚目だ。上手い下手というより、いちばん“気”が乗った。

3枚、4枚と続く。

コツは同じ。頭の中に理想の線を描いて、それをハガキに乗せるだけ。

言葉にすると、ものすごく簡単だ。

できれば苦労しない系のコツなんだけどね(笑)

昨日よりも“己”を見つめて描けた

それでも今日は、昨日よりも自分の精神面、つまり“己”を見つめながら描けた気がする。線の形を整えるというより、自分の内側にあるものをどう出すか。そっちに意識が向いていた。

今日もサクッと4枚仕上げた。

先生からも「よくできたね〜!」とお言葉をいただけた。

いつもなら「ここをこうしたらもっと良くなるね」と、次につながるアドバイスをもらえることが多い。なのに今日は、ベタ褒めである。あれ、そんなに良かったのかなと、ちょっと嬉しくなる。

いや、2日連続で先生も言うことがなくなって、めんどくさくなっただけかもしれないけど(笑)

次は、踏みつけられた鬼になる

帰り支度を始めると、先生が嬉しそうに話し始めた。

「法隆寺の台座にいる鬼って知ってる?」

そんなに詳しいわけではないけど、たぶんこんな奴だろう。神様に踏みつけられて、恍惚の表情を浮かべているドMな鬼である。

「すごく可愛いの」

先生、そういう趣味があるんですね(笑)

どうやら先生は、僕が神仏や鬼の世界に食いついて、目を輝かせているのを見抜いていたらしい。

「違う世界に行けるんだよね」って。

そうそう、それなんだ。

没頭して描いていると、その世界に入り込める。

神仏の絵を描いていれば、力強い世界や慈愛に満ちた世界へ連れていかれる。鬼や仁王を描いていれば、自分の心の奥にいる何かまで映し出される。

己書って、字や絵を整えるだけのものじゃないのかもしれない。

心の中にある世界へ飛んでいくためのパスポート。

どうやら、次のお題は決まったようだ。

僕は次回、踏みつけられた鬼になる(笑)

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