
ついに、この日が来た。
新しいフランテが白壁(しらかべ)にオープンする。

3月5日を待ちわびていた僕は、いてもたってもいられず、玄関を飛び出した。
小雨が降る肌寒い日。靴からじんわり雨が染み込み、つま先が冷たい。でも、そんなことはどうでもいい。
「広くなった店内」「増えた品ぞろえ」「気になるお酒」
これらが頭の中をぐるぐる回っていた。

そして——
目の前には、堂々とそびえ立つ新たな姿の白壁フランテ。
白いショッピングバッグをいっぱいに詰め込んだ夫婦が歩いていく。
——もうすでに、地元に溶け込んでいるじゃないか。

旧店舗から350メートルほど離れた新たな場所。以前ここには運送会社があったと記憶している。
そして今、目の前には旧店舗の約6倍の広さを誇るスーパーが広がっていた。
駐車場の進化がすごい!
かつての白壁フランテは、出入りが危険なスーパーだった。
駐車場は狭く、入りづらく、小学校が近いせいで子どもたちの大群にも遭遇する。
「これ、いつか絶対事故るだろ……」。そう思い、僕はいつも自転車で通っていた。
しかし、新しい白壁フランテは見るからに快適に出入りできそうだった。

駐車場は1階の敷地にドーンと広がり、大通りに面した広い出入り口が2カ所。
オープン初日だけあって、ほぼ満車状態。でも、出る車と入る車の流れがスムーズで、まったく混乱がない。

「これは…もしかして、車で来れるフランテが誕生したのか!?!」
そう思いながら、僕は階段を上がり、2階の売り場へ向かった。

フルーツの香りに迎えられる新しい白壁フランテ
階段を登り、2階の売り場へ。
赤や黄色に彩られたフルーツ売り場が、最初に目に飛び込んでくる。
甘酸っぱいイチゴの香りが鼻をくすぐる。

これは……買い物をエンタメ化する、粋な演出では!?
店内を見渡す。

配管がむき出しになった高い天井と、黒を基調としたインテリアが都会的で落ち着いた雰囲気を醸し出している。
そして、通路が広い!!

かつての白壁フランテは「ミニマムな店舗にギュッと詰め込みました!」的な狭さ。カート同士のすれ違いはまるで知恵の輪。夕方のピーク時には、「密です!」な状態になるので避けていた。
しかし、今は違う。
通路は広々、カートでスイスイ移動できる。
「これなら、混雑する時間帯でもストレスなく買い物ができるじゃないか!!」
酒好きの心をわかりすぎてる日本酒コーナー
まずは、お酒売り場へ直行。
日本酒コーナーを見て、思わず 「ニヤ!」 と笑みがこぼれた。
ビンがずらりと並ぶ、美しい光景。

目に飛び込んできたのは——
- 伊賀の「半蔵」(旨みとキレのバランスが最高)
- 高知の「酔鯨」(ガツンとくる辛口、たまらん)
- 江南の「勲碧」(これから人気が出ること間違いなし)
決して高級というわけではない。しかし、酒好きからの支持が高い酒がズラリと。
「フランテ、わかってるじゃないか!(上から目線で申し訳ない)」
さらに、特別な日に飲みたい「蓬莱泉 美」も、「どう一杯?」 って顔して僕を見ている。
日常酒から贅沢酒まで、すべてそろう完璧なラインナップ!
酒好きの心理をつかみすぎていて、逆にこわい。
クラフトビールもあるよ
続いて、ビール売り場へ。
そして、発見してしまった。

京都ブリューイングの「一期一会」がある!あれは京都駅で飲んで感動した醸造所のビール。まさか、ここで再会するとは……!
さらに、地元・名古屋の「ワイマーケット」も置いてある。
「ここに来れば、僕好みのビールが確実に手に入る」 という謎の安心感が生まれた。
食材探しの宝探し感が楽しい

店内を歩き回る。
松阪牛の試食コーナーでは、脂の焼ける香ばしい香りがただよっている。
白壁フランテといえば、キャビアやフォアグラがドーンと置いてあって、ちょっと敷居が高いイメージがあった。
でも、実は定番の食材もしっかりそろっていて、「こだわりの品を宝探しする楽しみ」があるんだよな。

僕が一番気になったのは、京都の根っこ付きほうれん草。
これをバターとベーコンで炒めたら、根っこの部分ってどんな味になるんだろう?
そんな風に、料理の想像が広がるのもフランテの魅力だね。
最後に選んだ「記念の一品」

さんざん迷ったあげく、僕が買ったのは——
シェ・シバタの限定クッキー。
「限定」に弱いのもあるけど、この缶を見るたびに、「白壁フランテがオープンした日」を思い出せる気がしたから。
旧店舗の終焉、そして新たな歴史の始まり

買い物を終え、僕はふと旧店舗に足を向けた。
周りに人影はなく、中からは「ドルルルル……」と工事の音が響く。
壁に貼られた紙には「スギ薬局白壁店 改装工事」の文字。

「フランテ、ありがとう。そして、これからもよろしく」
僕は静かにうなずき、新しい白壁フランテを振り返った。
——また来るぜ。次は、まだ飲んだことのない日本酒を買いに。





