
新年明けて、まず飲みたいお酒がある。
大曽根の民なら、やっぱりコレでしょう。
僕が取り出したのは——金虎の「本丸御殿」。晴れの日に、そして言葉にできない疲れを感じた時に、グビッとやるためのお酒である。
金虎って、骨太でパンチのある酒が多いよね。だけどこの「本丸御殿」は、華やかで、元日に飲むのにちょうどいい。“正月スイッチ”を入れてくる大吟醸って感じ。
まずは栓を開ける。香りがもう正月



冷蔵庫から冷やした本丸御殿を取り出し、栓を開ける。
フワッと広がる、南国の花のような吟醸香。これを嗅ぐたびに毎回思うんだよね。
「……どんな美味しいお酒なんだよ」って。勝手にワクワクが起動していく。
グラスに注ぐと、ほんのり緑がかった、ほぼ透明なお酒。心なしか、金属みたいにギラついた輝きがある。なんだこの“強そうな透明感”。
そして——
グビリと。
甘さ→キレ→旨み。顔が次々に変わるやつ

最初に駆け抜けたのは、南国フルーツみたいな甘さ。
「うわ、華やか〜」ってなる。なるんだけど、次の瞬間に別の顔をのぞかせる。
シャープで、旨みのある日本酒が、玄関をノックしてくる感じ。「すみませーん、日本酒らしさでーす」って入ってくる。
ここらへん、めちゃくちゃ金虎らしいんだよね。
大吟醸っていうと、どうしても“華やかさ”が注目されがち。
金虎の本丸御殿は、日本酒らしさが全開っていうか、日本酒らしさがある上に、大吟醸のフレーバーが乗ってくる感じなんだ。
で、ふと思う。
金虎が「骨太」なイメージなのって、もしかして本丸御殿から来てるのかもしれない。そんな気さえしてくる。
合わせるのは、かまぼこ。しかも“普通じゃないやつ”

極上の本丸御殿に合わせたいのは、かまぼこ。
……いや、普通のかまぼこじゃない。
倍以上の値段がする、鈴廣の最高級かまぼこ。
「600円で買える贅沢」って、言葉だけでテンション上がるしね(笑)
そして食べてみたら、さすが鈴廣。
ブリンブリンの歯応え。詰まりに詰まった濃厚な味わい。
金虎の本丸御殿をグビグビやりながら、一緒に楽しむにはふさわしい逸品だった。なんだろう、こう……疲れが、ふっと抜けていったんだよね。
毎年1月1日、妻の実家へ。これがまあ疲れる

毎年1月1日は、妻の実家へ新年のあいさつに行く日。
なんか、とても疲れるんだ。
難易度的には、ドラクエで「はがねのけん」を持たずにドラゴンがウヨウヨいるステージに迷い込んだような。
隅っこに座って愛想笑いをしながら、差し障りのない会話でお茶を濁す。「はい〜そうですね〜」を何回言ったか数えたくない。
で、一瞬ね。普段のバカKOKIXが出てしまったんだ。
向こうのお母さんの手料理をいただいた時、ふとこぼしてしまった。
「カレー粉入れたら美味しそう」
……終わった。
固まるお母さん。「あんた、何言ってんのよ!」っていう鬼の形相をしてる妻。「やっちまった!」とうつむく僕。
家それぞれノリがあって、僕のいつものバカ話は、どこでも受け入れられるわけではない。
ずっと地雷を踏まないように気をつけて、探り探りしてる一日。
そりゃ疲れ果てるって。
だから正月は、酒とかまぼこで回復する

だからね。正月だし。金虎の本丸御殿と、最高級のかまぼこで贅沢してみようって。
お酒もツマミも最高。結果、すっかり疲れも吹っ飛んだよ。
そして、こう思うんだ。
妻が僕の実家に行く時は、さっさと帰ろうってね。
やっぱり、生まれ育ってない家庭で過ごすのって、すごい違和感があって疲れがたまるからね。





