
やっぱり設計図って大事なんだよな。
毎月、第2と第3金曜日は己書(おのれしょ)の幸座(講座)の日。
筆ペンと水彩絵具セット、それから相棒のお絵描きセットをバッグに詰め込み、いそいそと大曽根商店街にある「喫茶はじまり」に向かった。
今回の幸座では、どうしても試してみたいことがあった。
何でもかんでも大きく書いてしまう、あのクセを克服するための作戦だ。
僕の悪いクセと「独特でいいねぇ〜」問題

その作戦というのは、ちゃんと下書きを書くということ。
己書では、絵の部分は鉛筆でサラッと下書きを描く。でも、書の部分はぶっつけ本番。
一期一会の世界みたいに一発勝負で書いている。
それだと、迫力を求めがちな僕は、つい最初の文字から全力で大きく書いてしまう。
結果、最後の文字がハガキに収まり切らず、妙に小さくなってバランスを崩してしまうんだよね。
先生からも「独特でいいねぇ〜」という、なんとも微妙な評価をいただくことがしばしば。
先生はやさしくて、褒めて伸ばしてくれるタイプだから、僕の下手くそな作品でも全力で褒めてくれて、「独特」という便利ワードで包んでくれているんだよね。
でも本音としては、この評価を見た瞬間に「いいじゃん!」に変えていきたいわけ。
文字のバランスさえ整えれば、それなりに見られる作品になるはずだから。
お題は七福神、設計図をちゃんと引いてみる

この日の幸座のお題も、この作戦を活かせるように七福神にしてみた。
半身の七福神の横に、それぞれのお名前をドーンと大書するスタイル。
文字のバランスが作品の良し悪しを決めると言っていい、けっこうシビアなお題だ。
まずは、鉛筆で七福神の顔と名前を下書きして、画面全体のバランスを取っていく。
何度も何度も消しゴムで消して描き直し。新聞紙の上は消しゴムのカスだらけ。
「寿老人」の字を少し上に動かしたり、「七福神」の“七”のハライを長くしてみたり。

納得いくまで設計図をいじり倒していく。
設計図さえしっかり描けていれば、あとは自信を持って自分の線を出していけばいい。
幸いにも、絵を描くのは大好きだからか、この下書きタイムがめちゃくちゃ楽しい。
むしろ、これだけでも十分に楽しめるくらいだ。
白いハガキの上に、形が少しずつ浮き上がってくる感じに、ちょっとした興奮を覚えていた。
いざ、筆ペン本番。考えるのは線の強弱だけ

下書きが決まったら、いよいよ筆ペンで清書タイム。
すでにバランスはバッチリ取れているから、あとは思い切ってメリハリのある線を描くのみ。
描いてみると、目論見どおり。
線の太さや勢いにだけ集中して描いていく。あれこれ考えなくていいって、本当に楽しい。
安定感が出たかな
完成した作品をあらためて眺めてみる。
なんだか、自分が描いたのじゃないみたい。
お手本どおりに安定した構図になっていて、あの「独特でいいねぇ〜」の人と同一人物とは思えない仕上がりだ。
先生に見てもらうと、間髪入れずに「おっ!いいじゃん!」をいただけた。いつもなら、ちょっと間が空いてからお褒めの言葉をいただくのにね。
よし、理解した。まずは下絵を書いてみよう。
先生も言っていた。「そのうちに下書きなしで、自然とできるようになるよ」って。
どうやら僕に足りなかったのは、線の勢いではなく「キレイに見える配置」だったようだ。
時間が空いたら、ハガキサイズの紙に下絵を描いて、そこに己書の字を書いてみよう。
七福神以外にも、鶴とか亀とか、来年の干支とか、ネタはいくらでもありそうだ。
いつか、下絵なんて書かずに一発勝負で、「ウヒョー!」なんて自分で興奮するような字を描けるようになる日を夢見て。
その日のための設計図づくりを、今日もコツコツ続けていこうと思う。









