梅雨、どこ行った?
6月のくせに、全力で真夏モードな大曽根。
もう、道が溶けてる。セミが鳴くには早すぎるのに、空気だけは真夏だ。
あまりの暑さに、僕の心も体も「もうダメだ〜」と逃げ出したくなった。
避暑地…とまではいかなくても、どこか、ひんやりした時間の流れる場所へ。
そんな時、ふと思い出したのが――
ブリューパブ大曽根。
あそこ、平日は午後4時オープンなんだって。
今日、初めて知った。
で、気づいたら足が勝手に向かってた。
【午後4時、まだ静かな店内】

スッと扉を開けると、お客さんは誰もいない。
静かな店内に、僕の声が響いた。
「すみませ〜ん、ポップアイを1パイントで」

いいんだ。むしろ静けさがちょうどいい。
僕、このお店が大好きなんだよ。
何度でも言うよ。ブリューパブ大曽根のポップアイ、マジでベスト・オブ・ベスト。
最初にトロピカルな甘みがアタックしてきて、
すぐに爽やかな苦味が追いかけてくる。
このギャップがクセになる。爽快感が脳まで突き抜ける。
暑さよ、バイバイ。僕は今、南国の風に包まれている。

【そしてあらわれた「オレのネコ」】
ふとメニューに目をやると、気になる名前が目に飛び込んできた。
「オレのネコ」

なんだそれ。
説明には「ネコに顔をうずめた時のような優しい後味」って書いてある。
何その世界観。
お店の方に聞いたら、1年ぶりに復活したビールらしい。
こりゃ頼むしかない。
出てきたのは、赤茶色の、深みのある一杯。
濃厚そう…と思いきや、飲んでみたら、めちゃくちゃ爽やか!
するっと口の中に入ってきて、すーっと消えていく。

その時だった。
【意識がロンドンに飛んだ】
一瞬で、僕の意識はロンドンにいた。
夕暮れ時の街角。
旅の途中、ふらりと入ったパブで頼んだ1杯のエール。
出てきたビールは…まさかの常温。ぬるい!
「え、なにこれ…ビールって冷たくないとダメでしょ」
って最初は思った。

でも、ゆっくり飲んでると、不思議とハマってくる。
ぬるいのに、味が染みる。
どこか深くて、じんわり美味い。酔わないとわからないおいしさ。
ロンドンのビールって、深い味の時間なんだよね。
【まさか大曽根で再会するとは】
それと同じ感覚が、「オレのネコ」からしたたってきた。
え?これ、ロンドンじゃん!
その瞬間、僕の心は大曽根のビアパブでスタンディングオベーション。
「ビバ!ブリューパブ大曽根!!」と心の中で叫んでた。

いや、ビバじゃないな。
ロンドンっぽく言うなら「フォルツァ」?
いや違うな、「加油」?「ゴー!」?
…ま、なんでもいいや(笑)
たぶん、ここは名古屋。
正しくは――
「どえりゃーうまいがや!」
だね(笑)
【地元で旅する、っていい】

遠くに行かなくても、味と記憶がリンクすれば、心は旅をする。
たまたま入った地元のパブで、過去の記憶と未来の希望が乾杯した。
僕の小さな旅は、ブリューパブ大曽根で始まり、ビールと共に終わった。
そして今日も、大曽根の夜が静かにふけていくのでした。










