春の大曽根には、金虎「ピンキー・ティギー」という美味しい猛獣がいる

2026-04-08 / /

春の大曽根には、美味しい「猛獣」がいる。

大曽根の誇りとも言っていい老舗酒蔵、金虎。ここは春になると、ちょっと特別な一本を解き放つ。

にごり酒と梅酒を合体させた新感覚の和酒カクテル「Pinky Tiggy(ピンキー・ティギー)」。

ピンクの虎である。

毎年この時期になると、僕は少しソワソワする。

「そろそろ出るんちゃう?今年のピンキー、もうおるかな?」なんて思いながら、酒屋やコンビニをついのぞいてしまう。

そんな時は、大曽根駅の目の前にある佐野屋に行けばいい。金虎の全てがここにあると言っても過言ではない。

もちろん、今年もいた。ピンキー・ティギー、無事に捕獲である。

こういう春限定の酒って、見つけた瞬間にテンションが上がるんだよね。しかも金虎は大曽根の酒蔵。大曽根の春には、大曽根の酒がある。その感じがまた、たまらない。

僕は両手にピンキーを抱えて家に持ち帰った。春しか会えない、お宝だからね。

栓を開けるまでがひと勝負

さて、栓を開けよう。

にごり酒だから、ここは慎重にいかないといけない。

酵母が生きているので、一気に開けると吹き出してしまう。ほんの少し開けては閉めて、また少し開ける。その繰り返し。

栓をわずかにひねると、瓶の中の白いにごりがぶわっと浮き上がってくる。あわてて閉める。落ち着いたら、また開ける。

中にいるのはピンクの虎だからね。春の大曽根の虎は、なかなかおとなしくグラスに入ってくれない。

5分ほど、開けては閉めての攻防を繰り返して、ようやくピンキーは落ち着いた。

いよいよグラスに注ぐ。

まず香りがいい。

にごり酒らしいやわらかな甘い香りに、梅の甘酸っぱい香りが重なる。これだけで、あ、美味しいやつやんってわかる。

ひと口飲む。

あぁ、春みたいに爽やか。

梅の酸っぱさは強すぎず、やさしい甘みが先にくる。そこに、にごり酒のヨーグルトみたいなまろやかさが重なる。にごり酒独特の鋭さはかなりやわらいでいて、全体としては軽やかで親しみやすい。

たぶんこれ、日本酒が少し苦手な人でも入りやすいと思う。

「日本酒ってちょっと強いんだよな」と感じる人ほど、この一本には驚くかもしれない。春のデザート酒みたいな一杯である。

さらに危険な楽しみ方

ここで、さらに面白い情報を思い出した。

喫茶はじまりの店長さんが、前にこう言っていたのだ。

「ストロベリーアイスにかけて飲んでみましたよ」って。

ピンキー・ティギーにストロベリーアイス。そんなの、美味しいに決まってるやん。

もちろん、こちらも準備済みである。

器にストロベリーアイスを入れて、そこへピンキーをドボドボと注ぐ。

同じピンク色。

春の大曽根にしかいない酒と、いちごアイスが、器の中で完璧に手を組んでいる。

スプーンを入れてひと口。

これがまた、驚くほどいい。

ピンキーの爽やかさに、ストロベリーアイスの甘みが重なる。アイスが少しずつ溶けていくことで、もともとまろやかな酒に、さらにやさしいコクが足されていく。

お互いが甘いだけで終わらず、春っぽさとデザート感がきれいにつながるんだよね。

美味い。かなり美味い。スプーンが止まらない。一瞬で器の中の宝物は消えていった。

ピンキー・ティギーとストロベリーアイスの組み合わせは、大曽根の春に出会える、かなり贅沢な遊び方だと思う。

地元の春には、地元の美味しさがある

春になると、街には桜が咲く。

その横で、大曽根にはこういう酒も出てくる。

地元の春には、地元だけの美味しさがある。

そういう宝物を見つけられるのは、やっぱり嬉しい。

気になった人は、大曽根商店街の喫茶はじまりに行ってみるといい。ピンキーの季節が終わっても、あのお店は新しくて美味しいものを、次々と生み出していくからね。

大曽根には、まだまだ楽しい発見がある。

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