
冬の名古屋には、毎年決まってやってくる「甘い誘惑」がある。
JR名古屋高島屋で開催される「アムール・デュ・ショコラ2025」。
これを聞いただけで血糖値が上がりそうな僕は、今年も意気揚々と大曽根からJR中央線に飛び乗った。
目的はただ一つ。
この祭典のために集まった世界中のチョコを、楽しみつくすためだ。
幻想的な入口と今年の「らしさ」

高島屋の1階、入口をくぐった瞬間、思わずうっとりと見入ってしまった光景があった。
目の前に広がったのは、まるで夢のようなパステルカラーのスイーツワールド。
毎年のように見慣れた、深いチョコレートカラーの高級感とは違う。
今年は柔らかな色合いが印象的で、まるでファンタジー映画のセットの中に迷い込んだよう。
それもそのはず。
ニュースで聞いたところによると、今年は世界的にカカオが不作で倍以上の値段に高騰しているらしい。
その影響で、チョコだけでなくスイーツ全般にテーマを広げたとのこと。
「広告用のディスプレイすら変えさせるとは、人はカカオに支配されてるのかも…」なんて心の中でつぶやいてしまったよ。
それでも、入口の前で写真を撮る人たちの熱気は例年通り。
25周年という節目の年、名古屋の冬を彩るこのイベントに対する期待感は全く色あせていないようだった。
会場の熱気に飲み込まれる


エスカレーターを上がり、いよいよ会場へ。
平日の昼間なのに、すでに人の波に押されながら進む感じ。
まるでマラソン大会のスタート直前、ランナーが密集していて自由に歩き回れない感覚といったところ。
人気店の前では、2時間待ちの行列が並び、さらにその周りに人垣ができていて近寄ることもできなかった。
シェフがチョコを買ったお客さんと写真を撮ったり、パッケージにサインを書いて交流している。
まるで映画のプレミア上映にでも来たかのような盛り上がり。
チョコの世界でも、トップシェフはスター扱いなのだと実感。
どのチョコにしようかな?


販売されているチョコを見てみると、どれも趣向を凝らして、きらびやかだったり、かわいらしかったり、僕の大好きな日本酒が入ってるのもあったりね。
一体どれがいいのやら?
正直言って、どれも美味しいに決まってると思うんだ。
だから、「どこのお店のチョコが自分らしく楽しませてもらえるんだろう」という観点でチョコを探してみた。
出会い:燻製ナッツの衝撃


人混みをかき分けるように進むと、「軽井沢いぶる」というお店が僕の目を引いた。
燻製のお菓子を作っているらしい。
その場で試食させてもらった燻製ナッツを口に入れた瞬間、僕の中で何かが弾けた。
スモーキーで深い森の中にいるようなウッディーな香りが口いっぱいに広がる。
僕がお手軽に作る燻製ナッツとは桁違いの完成度だった。
「冷たい煙で10時間かけて燻しているんです」とお店の方が教えてくれる。
「なるほど、美味しい燻製ナッツを作るにはそれだけ時間がかかるのか」
図らずも、チョコの祭典で燻製について学べるとは…。
「もっと美味しい燻製を作りたい!」って誓いを新たにしたのだけど、おっと!今はチョコの祭典を楽しむのが先。
ウイスキーの甘くまろやかな香りに財布のひもが…


そしてお店の方がすすめてくれたのが、燻製レーズンをウイスキーに漬け込み、それをチョコで包んだ一品。
香りを嗅がせてもらった。
深みのあるまろやかで甘いウイスキーとチョコの芳醇な香りがからみ合い、まるで夜のバーで特別な一杯を楽しんでいるかのような気分にさせてくれた。
「これはアムール・デュ・ショコラ限定ですよ」と言われ、財布のひもがゆるんでいくのを感じた。
「ウイスキーがチョコの中で熟成して、1か月後の方が美味しくなります。賞味期限ギリギリまで待つと、さらに美味しくなりますよ」とのこと。
味に加えて時の経過も楽しめるって、なんとも贅沢なチョコ。
「これください」と、まずは一つ目のチョコを手に入れたんだ。
去年のリベンジ!栗きんとんチョコ


一つ買ってしまうと、ダムが決壊するように物欲が解き放たれてしまう…。
次に向かったのは、中津川の栗きんとんチョコのお店。
実は去年、売り切れていて涙を飲んだ思い出があるんだ。
恵那の山の中で四季のうつろいを感じるような、緑や深い茶色に彩られたチョコたち。
今年はまだ残っていてホッとしたよ。
お店の方に、このチョコのこだわりについて聞いてみたのだが、あまり詳しくはないご様子。
ま、でも、それは食べれば分かること。後のお楽しみにとっておこう。
名残惜しさと甘い香り

いかん!このままここに居続けたら無限にチョコを買ってしまう!!
家に帰ってからの試食タイムを楽しみにしながら後ろ髪引かれる思いで、僕はアムール・デュ・ショコラの会場を後にした。




