
大曽根商店街のちょうど真ん中あたり。
そこにあるのが、「喫茶はじまり」。
4月12日、このお店の前で開催された「桜まつり」。

聞きつけた僕は、迷うことなく足を運んだ。なぜって?
だってここ、「今いちばん大曽根を元気にしてる店」だから。
普段はお酒を飲んだり、カレーを食べたりしてるけど、今日は全身で祭りを楽しむって決めてたんだ。
見つめ合って描かれる「脳(ノー)ルック似顔絵」
まず僕が参加したのは、ちょっと変わった似顔絵コーナー。
その名も、「脳(ノー)ルック似顔絵」。

どういうことかっていうと、画家さんが僕の顔をじーっと見つめながら、手元を一切見ずに絵を描いてくれる。まさに、目で感じて、手で描くアート。
しかも、今回は2人の画家さんがそれぞれ描いてくれるという贅沢仕様!
「ちょっと恥ずかしいですね」って笑い合いながら、お互い見つめ合っていると…なんだか不思議な気持ちになる。
心の距離がスッと近くなるような感覚。

描き上がった似顔絵は、ハンチング帽と黒縁メガネ、ボーダーシャツを着てた僕の特徴をとらえていた。
「え、結構似てる!」と周りの声。
描いてくれた画家さんが「口に見えるけど、これ、耳なんです…」って苦笑いしてた。
いやいや、そのゆるさがまたイイんだって。
桜色のにごり酒、その名は金虎「ピンキーティギー」
似顔絵でニヤけた顔のまま、次に挑戦したのは、桜まつりのために用意された特別な一本――
金虎酒造の「ピンキーティギー」。

名前の通り、淡い桜色に輝く、春だけのにごり梅酒。
グラスに注がれた瞬間、ふわっと広がる梅の香り。
一口目で感じる、切ないほどの甘酸っぱさ。
そしてその奥からやってくる、にごり酒のパンチのある日本酒らしさ。
これが、春のグラデーションだ。
やさしさと熱さ、静けさとにぎわい。まるで、この大曽根そのものみたいだ。

僕が「これ、ここでしか飲めないんじゃない?」と興奮してたら、お店の人は「え、近くの酒屋で仕入れてますけど?」とキョトン。
その温度差すら、大曽根っぽくて好き。
野良犬人生に、抹茶の一服を。
桜まつりのメインは、やっぱり野点(のだて)だよね。
お店の前に真っ赤な毛氈(もうせん)が敷かれてて、
そこにちょこんと座って、お抹茶をいただけるっていうやつ。

でもね、こっちは野良犬みたいな人生送ってきたわけで。
お抹茶を「立てる」なんて、正直人生初。
「まあ一度きりの人生だし、ここでやらなきゃ次はないかも」
そんな気持ちで、エイっと挑戦してみたんだ。

すると、和服姿のとても品のあるお姉さまが、
にこやかに「正座できなかったら、あぐらでも大丈夫ですよ」って。
その言葉に、ちょっと救われたよね。
見よう見まねで、茶筅を手に取ってクルクル…
って、全然泡立たないじゃん。
「茶筅はね、上下に手首だけで動かすんですよ。茶碗には当てないで」
そう教えてくれるお姉さまの所作は、もう美しすぎて見とれちゃった。

笑顔を浮かべながら、無駄のない動き。
あれはもう、美の型だった。
そして、自分で立てた抹茶を、いざ一口。
あれ? 苦みはあるけど、清涼感がスッと広がって、
思ったより、うん、飲みやすい。

でもそれより何より、気持ちが落ち着くんだ。
なんていうか、心がスーッと深呼吸する感じ。
大曽根商店街の喧騒のど真ん中なのに、
急に“静寂”が訪れる感じ。
「それが一服って言うんですよ」って、またお姉さまがやさしく笑ってくれて。
たった一杯のお茶で、僕の中の波が、荒れた日本海から、沖縄・北谷(ちゃたん)のアラハビーチくらいおだやかになったよ。
いやほんと、抹茶って、すごい。
男だってアクセサリーを楽しみたい!
さて、いよいよ最後は、アクセサリーワークショップ。
「女性向け」とは言われたけど、いーじゃん、好きなもの作れば。男だって、やってやるぜ。

まず選んだのは、黒光りする貝がらのパーツ。
そこに、梅昆布みたいな深緑と黒、差し色のピンクの石を加えて、渋いネックレスをイメージ。

でもここで問題発生。
石が小さすぎて、老眼には見えん!
ピンセットを使って悪戦苦闘。もう、笑うしかない。

作り終えたネックレスは、自分だけの一点モノ。
しかも、アクセ作りを教えてくれたのは、なんと自動車整備工の方。

車のプラグ部品を使ったチャームも、おまけに付けてくれた。
このギャップ。最高すぎるだろ。

試しに身につけてみたら、「似合ってますよ」って言ってもらえて。
うん、たとえ社交辞令でも、自分で作ったってだけで愛おしい。

最後に写真を撮ってもらった。
……たぶん、ちょっとニヤけてたと思う。バレてないといいけど。
「僕だけの春の2時間」――それが大曽根の宝物。
喫茶はじまりさんの桜まつり。
似顔絵に、お酒に、抹茶に、アクセサリー。
どれも特別だったけど、全部まとめて一言で言うなら、「僕だけの春の2時間」だった。
大曽根には、大きなステージはないかもしれない。
でも、心を動かすステージは、確かにここにある。

この街を盛り上げようと奮闘している「喫茶はじまり」さんに、心から感謝。
ご近所で、こんなに濃いイベントが楽しめるなんて、
それってつまり、最高の人生なんじゃないかって思うんだ。
This is 大曽根!
そして、次のまつりも、またここで会おう。





